第8話 神威vs萌花
【発動:光属性魔法 光線】
〖発動:闇属性魔法 影操作〗
神威が光線を放ち、萌花はそれを影で受け止める。
萌花の方はかなり受け身な戦いが続いている。
彼女は影を伸ばして攻勢に出ることも可能だが、そうすると守りが薄くなり、一瞬で崩される危険性が跳ね上がる。
かといってこれ以上影の量を増やすと魔力の消費が増え、先に彼女の魔力が尽きてしまう。
とはいえ、それはこの5年間、ずっと変わらなかった事だ。彼女も承知している。
影での守りは絶対に崩さないことを意識しつつ神威に少しずつ接近していく。
「萌花ならお得意の危機察知能力で光線も躱せるんじゃないか?」
「こんなに近くじゃなければねっ!」
人間が魔法を同時に発動する場合、人間の脳で同時に処理可能なのは基本的に2種類までとなっている。
影で守り続けていると、あと1種類しか魔法が使えないうえ、影操作は手で狙いを定めるタイプの魔法でないため、もう1種類の魔法はかなり精度が落ちてしまう。
萌花は防御を捨てて特攻できる距離に入ったと確信し、神威へ向かって刀を振るう。
「うおっと」
少しかすっただけでほとんどダメージは無いようだ。
「ずいぶん強気な行動だな」
【発動:光属性魔法 光線】
「ぐっ……」
「光線もジャストガードされるのかよ」
身体強化の応用で体のこれからダメージを受ける箇所に魔力をより多く流すことによって攻撃の威力を軽減できるガードという技術が存在する。
ガードは主に障壁が張れないような状況や瞬発的に攻撃を防ぐ時などに使用されている。
そんなガードの中でも魔力を流した時、流した魔力の勢いが1番大きくなるその一瞬の間に攻撃を受けると、普通のガードに比べてダメージを大幅に軽減することができる。これをジャストガードという。
タイミングが難しすぎて普通の人間には使いこなせないが、ジャストガードを極めた萌花ならば普段使いすら可能になっている。
〖発動:火属性魔法 火炎〗
刀に炎を付与し、威力を上げ再び斬りかかる。
【発動:光属性魔法 光壁】
神威が光壁を張ろうとしたが、既に張ろうとした座標には萌花の刀があり、不発に終わった。
次の瞬間、萌花の刀は神威の心臓を貫いていた。
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