第6話 終業後の4人

 「今日はそろそろ活動終了にするか」

「まだ4時だけど」

「戦闘もあって今日は疲れただろ。だから早く帰って休んだ方がいいと思ってな」

「神威は優しいね」

「班員の体調を気遣うのはリーダーとして当たり前の事だろ」

「かっこいいこと言うね」

「そうか?」

「じゃあ帰って体休めようぜ」

「彰は活躍0だったけどね」

「敵が弱すぎんだよ!」





―――――――――――――――――――

神威、報告書書けてる?


もう書き終わってるぞ


それはよかった


わざわざ連絡してきてくれてありがとな

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 神威はたまに報告書で困って私に相談してくる。

今回は問題無さそうだね。

よかった。

萌花は今、何してるのかな。

彰は相変わらずゲームしてるのかな。


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今何してるの?


ゲーム


何のゲーム?


スト○ートファイター


おお


彩夏は一緒にやる時、すぐボタン適当に押すよな


コマンド? が難しいんだもん。波○拳すら出せなかったし


でも楽しかっただろ


まあね

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 彰も楽しくやってるようで何より。

次は萌花に連絡してみようかな。


―――――――――――――――――――

今何してるの?

―――――――――――――――――――


 連絡が来た。おそらく彩夏からだろう。

今ちょっと忙しいんだけどな。

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私が今何してるか知ってどうするの?


こういうことに理由なんて必要ないでしょ


料理


萌花って料理とかするんだ


私の事なんだと思ってるの


戦闘狂


!?


いつも色んな所に武器隠し持ってるじゃん


私は天賜魔法が使えない分、手数の多さでカバーしてるから


よく考えてるんだね。私も戦闘用の魔法じゃないし、やってみようかな


彩夏には無理でしょ


どういう意味!?


さて、どうでしょう


そういえば料理ってなに作ってるの?


(スイーツの写真)


甘くて美味しそう


そう見えるなら上手くできてるみたいだね

―――――――――――――――――――


 萌花はスイーツ作ってるのか~。

私も何かスイーツ食べたくなってきちゃったよ。

コンビニで買ってこようかな。

私は結構めんどくさがりだけど、幸いなことにここは東京だからコンビニはすぐ近くにある。

そういうところでも東京に生まれて良かったーって感じだ。


 私たちは東京に住んでいる。

東京は特に魔法での犯罪が多い。

まあ、人が多い分、犯罪も増えるのは仕方ないよね。


 「姉ちゃん、俺達と遊ばね?」

「えっ……」


 コンビニへ向かっていると男3人組に高校生くらい? の女性が絡まれていた。

はぁ、まだ日が落ちたわけでもないのにこんなことなかなか無いでしょ。

私、今日はついてないね。


 「こんにちは」

「何だおま……」

「……」

「……」


 「絡まれてたみたいだけど、大丈夫?」

「……はい、私は大丈夫です。……ところでこの人たちはどうなってるんですか? あなたに触られた瞬間に全く動かなくなって」

「ちょっと存在しない記憶大量に流し込んだだけだから気にしないで」

「あなた、もしかして魔法師ですか?」

「うん」

「かっこいいですね」

「魔法師が困ってる人を助けるのは当然だよ」

「ヒーローみたいですね」

「そうかな」

「そうですよ」


 「じゃあ私は行く所あるからこれで。後、その男たちは1分くらいでまた動き出すからね。あなたもこれからは絡まれないように気をつけるんだよ」

「はい。ありがとうございました」


 あー良いことした。

今日はいつもより美味しいスイーツが食べられそうだ。

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