第24話 証拠集め
「———どこからでも掛かってこい」
「「「「「「「……」」」」」」」
やはり、と言うべきか……暗殺者だから皆んな総じて口数少ない。
お前らド陰キャかて。
因みに、俺の後ろには既に10人以上の暗殺者がぶっ倒れており、死んでる奴も死んでいない奴もいる。
シンプル相手にするのが面倒なだけだ。
まぁどのみち逃げようとしてもサーシャの
結界があるので逃げられないのだが。
「お前らが来ないなら、こっちから行くぞ」
一向にその場を動かない暗殺者に痺れを切らした俺は、軽く地面を蹴り、一瞬で暗殺者の背後に回ると背骨に拳をぶつける。
盛大に折れる音がしたので、多分もうアイツは動けないだろう。
「……っ!」
ここでやっと暗殺者が動き始めた。
それも物凄い連携で、お互いの隙を埋めて無限に攻撃してくる。
ただ———セニアより弱いな。
「カッ!!」
俺は人間には不可能な程の声を上げて衝撃波を生み出す。
これは、某龍の玉を集める漫画を模して必死に練習した技である。
この効果は一目瞭然で、俺の周りにいた全ての暗殺者が弾け飛んで壁に激突。
「カハッ……ば、馬鹿な……」
「な、何者なんだアイツは……」
「お、やっと話し始めたか。まぁどうでも良いがな」
俺は暗殺者達を無視して2階へ上がる。
階段にも幾つも罠が仕掛けてあったが、その全てが俺のチートボディの前に虚しく砕け散った。
「ここ……だな」
この先から、隠しているような一際小さな気配を感じる。
恐らくこの暗殺者集団のボスだろう。
「お邪魔するぞ」
俺は逃げ出そうと相手が立ち上がる前に扉を破壊して半立ちの男を机に叩き付ける。
「ガハッ———!?」
「お前に用がある。お前は要らん」
横にいた2人の暗殺者の脳天を懐から取り出した投げナイフで殺害。
その隙に俺の腕から脱出していた暗殺者の男が逃げ出そうとしたので、両足首を掴んで粉砕する。
「ぐぁ……」
「これで立てないだろ? ついでに……」
俺は家から持ってきた鎖で腕を縛り付け、口に浄化の付与魔法が掛かった猿轡を噛ませる。
そしてついでとばかりに、奴の上に粘土のように相手にフィットする約200キロの重しを載せておいた。
これで流石に逃げられないだろう。
「さて……一応聞こうか。俺を暗殺するように依頼したのは誰だ?」
「……っ!?」
「おっと、舌を噛んで死のうとしたってそうはいかない。お前じゃ絶対に俺の速さには勝てない」
俺は舌を噛みちぎろうとした暗殺者の口に猿轡を突っ込んで再び塞ぐ。
と言うか、幾ら暗殺者とはいえ諦め早いし躊躇なさすぎだろ。
更に面倒なことに、音こそしないが……何人もの暗殺者が此方へと向かって来ている。
大方俺が殺し損ねた奴か隠れていた奴だろう。
ま、全部雑魚には変わらないが。
「少し待ってろ。今からこっちに来る暗殺者を全部殺してくるから」
「ふがっ! ふがががっ!」
何か訴えるような声を上げるが……まぁ例え殺してはいけない相手であってもサーシャが居れば情報が手に入るのでどうでも良い。
俺は隠れていたもう1人の暗殺者の四肢を手頃な石で粉砕させてから下へと降りた。
「———この人がボスです」
「やっぱりか?」
「はいっ。他の人の記憶を見ましたけど、ちゃんと合ってます! 魔法で顔を変えている様子もありません!」
俺は暗殺者を1人残らず殺した後、証拠となる資料を探していた。
おかしいな……絶対この部屋のどっかにあるはず……あ、あったあった。
俺は机の引き出しの上部に付いていたスイッチを押す。
すると、机の裏面に新たな引き出しが現れる。
それを開けると……中は魔法空間になっていた。
「サーシャ、少し席を外す。絶対常時障壁を張っとけよ。それと奴が死なないように見張りも頼む」
「任せて下さい! それに既にこの人の身体に仕込まれていた毒物は浄化させました!」
ほう……中々やるな。
サーシャは本当に頭が良い。
俺なんかよりよっぽど賢くて知略家になりそうである。
「じゃあ———行ってくる」
「行ってらっしゃいませ、イルガ様」
俺は引き出しの中に入った。
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