第8話

「はぁ、なんだこれは」


「あ・・・あなた」


二人は目覚めたことに驚いているようだが、

 

 「こんにちは、」


「お前は!!」


「・・・っひぃ!!」


(魔法使いめ、俺たち何をさせたんだ)


(恐ろしい、恐ろしい)


「お父さん!!お母さん!!魔法使いさんは悪い人じゃないの」


「ミーハー!!」


「ミーハー!!どうして」


 「魔法使いさんは自分のことを守っただけなの!!」


「でも、ミーハー」


「お父さん、お母さん、後ろを見て」


「えっ、うっ」


「きゃー!!!」


二人は腰がぬけて倒れる。


 後ろには大量のゾンビのような姿をした村人がいる。


 「さっきまで、お父さんもお母さんもあーなってたんだよ」


「うそだ。」


「本当なの?ミーハー」


「本当だよ。でも魔法使いさんが直してくれた」


ミーハーちゃんがこっちを見る。

「どうも」


 「でも、そもそもこのクソがやったんだろ」


「うんうん」


「魔法使いさんはやろうと思えば、またあの姿に出来るんだよ!!」


「!!」


「!!」

ミーハーちゃんの言葉に戸惑う、


「そもそも殺すことだって出来た。けど殺さなかった。魔法使いさんは優しい人だから殺すまでは出来ない人なんだよ。私達と違って」


ミーハーちゃん。


「ミーハーでもだから魔法使いはそもそも俺達は全く別な生き物のバケモンなんだよ。俺たち人間脅かすバケモンなんだ」


「そうよ!」


「バケモンなんかじゃ」


「確かに俺達がいると怯えて怖いだろうな」


「そうだ。バケモノがバケモノのと認めるのか」


「認めるよ、事実だし。でもじゃあそのバケモンらしく殺せばいい?」


二人は怯える。


 「魔法使いさん!!」


「ごめん、ミーハーちゃんここまで言われてほっとけないわ。俺はそんな扱いのせいで、俺を殺されかけ、大切な家族を殺された」


「魔法使いさんにそんなことが」


「あー、俺達も無敵じゃないからなぁ。まぁそれは昔で今はほぼ無敵だけど、とりあえずなぁ、バケモンらしく」


「やめてくれて!!」


「ゾンビに戻るのでそれはやめて下さい!」


「私からもお願いします」


ミーハーちゃんがしっかり頭を下げる。

 

「・・・なんてね。別に殺しはしないよ」


「・・・っ」


「ありがとうございます、ありがとうございます」


「魔法使いさん、良いんですか??」


「俺はミーハーちゃんの言った通り良い人だし、単純に今のは殺されかける人の気持ちを知って欲しかったから嘘ついんだ。」


 「魔法使いさん」


二人はもう完全に俺にビビってるしね。


 「ミーハーちゃんのお父さんとお母さん。」


「何でしょうか」

(怖い、命だけは、命だけは、)


「何でも聞かせてください」

(せめて、娘達だけでも)


「いい娘さんですね」


「はぁ??」


「ぇ??」


「魔法使いさん??」


これは飴と鞭、殺しかけたあとに褒める。


 「はい、はい!そうです!!」

 

「最高の娘です」

 

 自分の大切な物を褒められた誰でも嬉しい。これは最高の飴だ。


 もうだいぶ印象は変わっただろうし、


「ミーハーちゃん、あと任せていい??」


「はい!!」



 そして、ミーハーちゃんは俺のこと色々と何回も伝えてくれた。

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【誤字修正前 05:12】辛いことばっかりの魔法使いは、自らの出せる水以外失った世界で 激 辛 @eaconnn

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