幼馴染の白羽と昴

二髪ハル

プロローグ 「捕まえた!」

 俺、多田ただ すばる。高校入学からずっと住んで一人暮らしのアパートでいつも通りゲームしていた。

「すーばる!」

 そして昔から遊んでいる幼馴染の井ノいうのえ 白羽しろはが部屋に上がり込んできた。

「あーそぼ」

「あいよ」

 いつも通り白羽が後ろからしがみついてきた。

「なにしてるの?」

「ゲーム」

「好きだね……」

 白羽が俺の頬をつまみ左右に引っ張ってきた。

「びよーん」

「やめろー頬っぺたが伸びたらどうするんだ!」

「そうなったらお団子して食べてあげるよ」

「せめて、みたらし団子にしてくれ……」

「しょうがないな……。草餅が沢山出来たらみたらし団子にしてあげよう~」

 白羽がそのまま俺の口をタコみたいに尖られさてきた。

「お願いします……」

 セーブが出来るところまで進め。ソフトを一旦終了した。

「それで何して遊ぶんだ?」

「それなんだけど。今から私とデートしない?」

「ん、デート?」

「そうデート。友達がね。美味しいラーメン屋あって美味しかったんだって。聞いていたらお腹が空いたので昴とラーメンデートしたくて。どうでしょう?」

 ラーメンか。

 想像しただけで腹が減ってきてしまった。美味しそうだなラーメン。 

「わかったラーメン屋行くか」

「やった! ありがとう昴」

 白羽の手が頬から俺の胸の方に手を回して、そのまま抱きつかれた。

「……ふむ」

 腕が拘束されて着替えることが出来ない……。

「なぁ白羽さんや。着替えられないから離れてくれませんか?」

「ふふふっ……」

 すると白羽が不適な笑みを浮かべていた。

「昴を拘束するのが目的だったのだよ!」

「な、なんだと……」

 いつの間にか捕まってしまった。

「どうして俺を捕まえるんだ!」

「どうして? ふふふっ。……昴が銀行強盗しようとからだ!」

 ……おっと? いつものが始まってしまったか。

 白羽のやつコントみたいにするのが好きだから、まあ俺も白羽とふざけて喋れるから好きなんだけど。

 銀行強盗ね……。

 想像で強盗の物真似をしてみる。

「ちくしょう。あと少しで30円手に入ったのに! 妹に大根を食わせてやろうとしたのに!」

「罪を洗って今度はいい大根でおでんでも作ってやんな。妹さんのことは私に任しな」

「刑事さん……すまねぇ、すまねぇ」

「おう、おう……」

 すると白羽から拘束が解かれた。

「それじゃあ今から着替えて、昴を輸送するから! はやく、はやく!」

 白羽の方を見てみると嬉しそうな顔をしながらこっちの服を掴んでいて楽しそうにしていた。

「わかった、わかった」

 外に動ける服装に着替え白羽のところに向かう。

「白羽着替えだぞ」

「あい! それじゃあ捕まえないと〜」

 白羽が手を握り左右が動かせしまった。

「捕まえた!」

「捕まってしまった……」

 そのまま玄関の方へと連れてかれた。

「それじゃあラーメン屋までレッツゴー!」

「ゴー」

 ラーメン屋へと二人でゆっくりと歩いて向かった。

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