2-15
「「「たあああああああぁ!」」」
まず突っ込んできたのは、青髪ショートボブ、金髪ポニーテール、赤髪ツインテールの3人娘。色合いが信号機なのには、なにか意味があるのだろうか?
「やああああああぁ!」
双剣を持った赤髪ツインテールが斬りかかってくる。左右同時に迫る斬撃に合わせるように盾を構え、その腕と両足に力を込める。
「っくぅ。次、任せたぁ!」
「ったああ!」
その攻撃をひかりの盾で難なく弾き返すと、赤髪ツインテールの後ろから金髪ポニーテールが飛び出して、ロングソードを上段から振り下ろす。
「カウンター!」
「ふぇ?」
振り下ろしを躱し、すれ違いざまにこちらのショートソードでカウンターを放つ。
斜めに斬り上げたため、金髪ポニーテールの体操服ははじけ飛び、透き通るほどに白い肌がまさに一糸まとわぬ姿で晒される。
「き、き、きゃあああああぁ!」
慌てて両腕で胸を抱え込んでしまったため、肝心なところは見えなかったが、手ブラハーフパンツというとんでもなくマニアックな格好になってしまっている。
や、やばい。ぎゅっと両腕でカバーしていても、恥ずかしそうに飛び跳ねるのと同時に双丘がポヨンポヨンと揺れるせいで、め、目が離せない!
「もらったあああぁ!」
「っぐは!」
金髪ポニーテールさんに釘付けになっていたせいで、背後から近づいてきた青髪ショートボブに気づかなかった。
青髪ショートボブの攻撃は俺の背中を斬り裂き、体操服がはじけ飛んでしまう。
「っくっそおおおりゃあああああ!」
負けじと体を反転させながら、振り向きざまに一閃。
「きゃあああぁ!」
攻撃直後でガードが間に合わなかった青髪ショートボブは、横薙ぎの一閃をまともに受け、あえなく体操服が斬り裂かれ、その慎ましくなだらかな丘が―――
「ち、小さくないわよ!」
いや、俺は別に何も言ってないはずなんだけど、心の声が届いてしまったらしい。
涙目で必死にこちらを睨み付けてくる青髪ショートボブは、片手で胸を隠しながらも、もう片方の手でロングソードを構え直した。
うん。金髪ポニーテールさんと違って、青髪ショートボブさんは片腕で隠せるくらいなんだよ。どこがとは言わないけども。
「マイちゃん!ミィちゃん!」
青髪ショートボブさんの横に、赤髪ツインテールさんが並び立つ。金髪ポニーテールさんは、もう武器をとることもできずにその後ろでうずくまってしまった。
「ご、ごめんね。2人にこんな恥ずかしい格好させちゃって。わたしが初手でちゃんと動きを止められなかったから」
「大丈夫よ、アイ。彼にもダメージは与えられたから。ほら、マイ。いつまでも恥ずかしがってないで、とっとと立ちなさいよ」
「う、うぅ。ムリだよミィちゃ~ん。ワタシ、ミィちゃんみたいに片手じゃ隠せないんだからねぇ!マモルさんに見られちゃうよぉ~」
「はぁ?」
金髪さん、小さいことは悪いことじゃないですよ。だってほら、片手で隠しながら武器を握れるんだから。
「マモルくん、だったわね。あなた、あたしに何か言いたいことでもあるのかしら?」
「あ、いえ、なんもないです」
だから、どうして俺の考えてることがわかるんだ!もしかして、相手の心を読むスキルとかを持っているんじゃないだろうな?
「ほらアイ。両手が使えなくても体当たりや蹴りくらい使えるでしょ?とっとと立つ!」
「うぅ、わかったよぉ」
さて、現状を確認しよう。目の前には体操服姿の美少女1人と、半裸で手ブラの美少女が2人。対するは、半裸で盾とショートソードを装備した俺。
しかも背後では、上野さんとミナモちゃんがあられもない姿で・・・・・・ごくり!
絵面的には非常によろしくない。
「こんなレクリエーション、とっとと終わらせないと」
そのためには、まずはこの3人を討ち取らなければ。ショートソードを握る右手にぐっと力を込めて、3人の姿を見やる。
見やると、どうしても金髪ポニーテールさんの胸に視線が吸い寄せられてしまうのは、どうしようもないことだろう。
「ったあああぁ!」
「はああああぁ!」
青髪さんと赤髪さんが左右に分かれてこちらへ向かってきたため、金髪さんの姿がよりハッキリと見えるようになってしまった。
ただ立っているだけでこちらの注意を釘付けにするとは、なんて恐ろしい子なのだろう。後でお名前を教えていただこう!
「はああぁ!」
っと、そんなことを考えている間に、赤髪さんが目の前でショートソードを振り下ろそうとしていた。
意識を切り替えて、目の前の赤髪さんに集中。
「カウンター!」
状態を低くしてから、赤髪さんの振り下ろしに合わせてこちらのショートソードを斬り上げる。
「ひ、ひやあああああぁ!」
俺のショートソードは赤髪さんの体操服を見事に捉え、びりびりと音を立てながら引き裂いた。
途中で何か引っかかる感覚があったのだが、それを気にしている余裕はない。
「たあああああぁ!」
赤髪さんを躱して前に出ると、片手でロングソードを構えた青髪さんが寸前まで迫っていた。
さすがに全裸に剥くわけにもいかないので、盾で弾き飛ばす。
「ちょ、ちょっとおおおおおおぉ!」
「あ、思ったより飛んじゃった?」
およそ人が描いてはいけない放物線を描きながら、青髪さんは後方へと飛んで行ってしまった。
きっとステータスが高いからあれくらいの落下ダメならどうとでもなるでしょ。
「ふ、ふええええええええん!」
今度はアメフトボールを2つ抱えたような状態で金髪さんが泣きながら突進してくる。
それ、攻撃の意味はあるのかなぁ・・・・・・いや、ある。
2つのアメフトボールはフニャンフニャンとその形を微妙に変えながら迫ってくる。そこから、容易に視線を外すことができない!
「え、え~い!」
金髪さんはそのままトライを決めようと飛び込んでくる。
こ、これは受け止めても良いのか?
「いや、ダメでしょ!」
さすがにお互い上半身裸の状態で抱き留めることはできない!戦闘中だぞバカ野郎!
泣く泣く金髪さんの攻撃も躱して、信号機トリオを無事に制圧。
「何というか、理性との戦いだった」
「まさかあの3人を同時に相手取って勝ってしまわれるとは。しかし、これならいかがです?」
ほっと息を吐く間も無く、ラフィさんが他の女子たちに合図を送る。
「アイシクルバレット」
「ホーリーレイ」
「フレイムランス」
「ウインドニードル」
ほぼ同時、複数の魔法が発動され、半円状に方々から攻撃が殺到する。
「さすがに、それはずるいって」
1つの盾で複数方向からの魔法を弾くのは困難。いや、無理だ。まあ、それは普通の盾ならって話だけどね。
「ひかりの盾!」
盾を構える手に力を込めて叫ぶ。それに応えるように、白銀の光を発した盾は、迫り来る魔法の全てを撃ち返した。
「いやああああぁ!」
「きゃああああぁ!」
「あ~ん!」
「っ・・・・・・」
方々で悲鳴が上がる。どうやら、魔法を放った少女たちに反射され、もれなく服がはじけ飛んでしまったようだ。
少女たちはその場にへたり込み、どうにか肝心な部分を隠そうと、腕や足をもぞもぞと動かしながら丸まってしまった。
「いや、なにこれ?」
あまりのあり得ない光景に、俺の脳も処理落ちしかける。
見渡す限り全裸の美少女たち。その全員が羞恥に肌を染めてうずくまり・・・・・・
これ以上表現したら偉い人に怒られそう!
この惨状を作り出してしまったのは俺なんですけど、これ、俺悪くないよねぇ?
こんなレクを提案した粕川先生と甘楽さんが悪い!
あとで問題になったら、絶対あの2人に責任とってもらうからな!
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