第21話 深夜の出来事

キィー

夜11時頃、俺の部屋のドアが開いた音がした。

誰か入ってきたのか?

俺は寝る寸前で、意識がぼんやりとしていた。

廊下の光が差し込む。


目を開けると・・。

銀髪の少女が立っていた。

カモミール?

深夜にどうしたんだ?


「ゆうや~いっしょにねよ?」


「ん?」


あれ?何だか様子が変だ。

顔が赤い?

足元がおぼつかない様子だ。


「ちょ・・まずいって、俺一応男なんだから・・」


カモミールが近づいて転んだ。

顔が柔らかいマシュマロに埋もれた。


「ゆうやのえっちい~。えっちなこには・・」


カモミールが俺のくちびるにキスをした。

そのまま俺の上で、くずれ落ちて寝てしまった。


「変だとは思ったんだよな」


酒の匂いがする。

どうやら酔っぱらっていたようだ。

そういえば冷蔵庫に、隣の叔父さんに貰ったお酒があった。


クリスマスにおすそ分けと言われて貰ったものだ。

会社で頂いたものらしく、ジュースに交じってお酒のカンが入っていた。

見た感じジュースに見えなくもないパッケージだし。

冷蔵庫の奥に仕舞っていて忘れてたけど。


指でくちびるを触った。

顔が熱くなってきた。


「朝起きたら忘れてたりして、なんて無いかさすがに」


俺はカモミールの頭を撫でた。


「おやすみ」


俺はカモミールを抱きしめて眠った。

少し酒臭いけど、温かくて柔らかい。

今日は良い夢を見れそうだ。



****



チュンチュン・・

朝になったら私はユウヤに抱きしめられていた。

え?どういうこと?

私全く憶えていないんだけど。


「おはよ~。昨日酔っぱらって布団に入ってきたんだよ。憶えてる?」


寝ぼけ眼のユウヤの説明を聞いて、私は顔が赤くなった。

な、何てことしてるんだ私!


昨日・・夜何してたっけ?

深夜に喉が渇いたからキッチンに行って、冷蔵庫を開けて奥に可愛い絵柄のカンがあったから開けて・・。

椅子に座って飲んでいた。

ほわほわっと温かくなったのを憶えている。


「なんらこれ・・あまいけどじゅーす?」


これ多分お酒だって気が付いた。

元居た世界にもお酒はあったからね。

私はお酒が弱くて飲むのを避けていたのだ。


「けしからんら~これはゆうやにいってこないろ」


それからふらふらと何処かへ移動したのは憶えてる。

文句を言おうと思ってユウヤの部屋に行った。

もう寝ているかと思って声をかけた。


でも出てきた言葉は何故か・・。


「ゆうや~いっしょにねよ?」


って言った気がする。

それから記憶が無い。


「それで・・憶えてる?」


何の事だろう?


「俺もカモミールの事好きなんだけど、そういう事で間違っていないよね?」


え?

私いったい何したの?

訝しむような顔をしている私にユウヤは続けた。


「俺にキスしたよね?好きって事で間違いないよね?」


わあぁ~何てことをしてしまったんだ私は・・・。

穴があったら入りたいとはこの事だろうか・・・。



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