第15話 家庭訪問

ピンポーン


日曜日の昼間。

外はいいお天気でぽかぽか陽気だ。

早く春にならないかな~と最近思っている今日この頃。


ピンポーン


「ユウヤ、音してるけど」


玄関の呼び鈴が二回鳴っている。

出たところできっと何かのセールスとかに違いない。


「いいんだよ。無視すれば。どうせ営業とかだろ」


「あみさんとかだったらどうするの・・」


俺はインターホンを見た。


「げっ、竹下先生そうりじゃねえか。何で?」


俺は慌てて、玄関のドアを開けた。


「良かった~出かけてるかと思ったよ。かもみさんはいるかな?」


担任の竹下先生が来るとは思ってもいなかった。


「ほら、ずっと学校休みっぱなしでしょ?具合が悪いのなら仕方ないんだけどさ。一応様子見に来たんだよ」


「先生・・」


カモミールは廊下で立っていた。

外にいる竹下先生そうりと目が合った。


「なあんだ。元気そうだね。でもどうしたの?何かあった?」


「え?」


カモミールは変身してないぞ?

エルフのままの姿だ。

何で普通に、話ししてるんだ?



**



竹下先生そうりは話し始めた。


「僕はね魔法が使えるんだよ。クラスのみんなには内緒ね。だから最初からかもみさんがエルフだって知ってたし、魔法にもかかってなかったんだ」


「実は私、熱が出てから魔法が使えなくなってしまって・・それで変身できないし。学校も行けなくなったので・・」


「魔法ね・・別になくてもいいとは思うけどね。無くてもこの世界で不自由なく暮らしていけるよ?ほら、カツラとかどうかな?カラーコンタクトもあるし」


「そんなので大丈夫か?」


意外と先生は協力的だった。


「かもみさんは一日しかいなかったし、そんなに皆憶えていないから大丈夫だよ」


「この間、あみ・・中嶋が魔法かけられてましたけど・・多分クラスの長井じゃないかって思っているんですが」


「え、そうだったんだ。気が付かなくてごめんね」


何にしても、まさか竹下先生そうりが魔法を使えるとは驚いた。

学校内にいる限りは先生がいるから大丈夫かな?

少し安心した。


カモミールも自衛のため、アミュレットを付けることにしたらしい。

もともと売るために沢山持っていたとか。

カモミールは、また見えない空間に手を突っ込んで物を出していた。


空間収納というスキルだと言っていた。

見えない隠し金庫みたいなものかな?

白い石が付いた、アミュレットを下げている。


「その、赤とか青とか何か意味はあるのか?」


「ほぼ同じ効果だけど、青は水魔法に強いとか、赤は火魔法に強いとか、白は治癒魔法が使えるとかかな?」


白だけ効果が少し違うようだ。


「白は回復してくれる魔法が付与してあるの。私心配症だから・・」


俺は、カモミール用にさっそくカツラとカラコンを用意してみることにした。


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