第13話 友達
「チッ、失敗したか」
ぼくは松永の家の上空から、様子を
エルフは魔法を使わなかったな。
傷つけたくないからなのか?
以前の時もそうだった。
魔法を使えば、簡単に逃げられるのにあえて使っていないのか?
学校にも来ていないし。
何か理由があるのだろうか。
「まぁいいか。次はどうしようか?」
最近は色々考えるのも楽しい。
何せ、退屈な学校生活だからな。
力技はすぐ終わってしまうからつまらない。
相手を操る魔法を使うのが最近は楽しいのだ。
「夢を使うっていうのも・・いい線までいったと思うんだけどな」
まだ改良の余地はありそうだ。
****
あみにバスタオルを渡して、濡れた所を拭いてもらっていた。
結構派手に濡れていたようだ。
冷えたようだったので、こたつに入ってもらっていた。
「異世界?エルフ??」
あみにはカモミールの事を正直に話した。
嘘をついても、しょうがないと思ったからだ。
「エルフなんていたんだねぇ。アニメとかマンガの世界だけかと思ったよ。そういえば何で学校に来てたの?」
「何でって、ユウヤが心配だからです。学校には変な奴がいますし」
「変な奴って?」
「お前、長井に何かされなかったか?」
「そういえば、この前学校で声かけられたけど・・あんたのノート取るの手伝ってくれて、良い奴だなって思ったのよね」
「それか・・あみさ、何か魔法かけられたんだと思うよ。それでさっきの水みたいなのかけられて魔法が解けたでいいのかな」
「うん。さっきのは聖水と言って、呪いとかを解呪するんですよ」
「聖水・・・」
本当にゲームみたいだな。
「そっか、最近記憶が曖昧だったのよね・・魔法のせいだったのかな・・助けてくれてありがとうね」
あみはカモミールの手を両手でぎゅっと握った。
「あ、貴方が良ければだけど・・わたしと友達にならない?」
「友達?」
カモミールは目を見開いた。
「そう、友達。わたし貴方と仲良くなりたいの」
「そうですか。有難うございます」
何を思ったか、カモミールは何もない空間に手を突っ込み、何かを取り出した。
「これ良かったら・・アミュレットです。持っていてください」
彼女は俺と同じような、細い縄で作られたネックレスをあみに渡した。
俺のは青い石だけど、赤い石だった。
「何かあった時に、守ってくれると思うので」
カモミールは少し微笑んだ。
「へえ~ありがとう。キレイな石ね。やっぱり持ってると何か良い事あるの?」
「今回みたいな事は、無くなるとは思います。簡単な魔法からも防いでくれると思いますし」
「へえ~。有難う」
アミは赤い石を不思議そうに眺めていた。
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