第26話 シェア会

「お母さんが空港で捻挫して、それでケンちゃんが迎えに行って…そこからどうやって、レオナちゃんと結婚に至ったの?」


2人のシェア会、絶賛開催中である。


「んまあ、一目惚れっつーの…」


ケンちゃんはめちゃくちゃに照れながら、どれだけ頑張ったかを話し始めた。


「えっ!空港からいきなり家に来たんだ!ルリちゃんさすが。それでそれで?」


「うちで御礼かたがた、寿司とか出前取ってぇ、ちょっと喋って俺が2人を街へ送ることになってよ」


うんうん


「俺は、どうしてもレオナちゃんにまた会いたかったから、ルリコさんに名刺もらって店に通うことにしたんだ。いきなりじゃ…あの子に嫌われるって、直感で思ったから」


「ナイスナイス!ケンちゃんわかってるね」


「前ほら、聞いてっぺ?俺は失敗してっから。のぼせて。だから、落ち着いて大切にしたかったんだな、この奇跡みてえな出会いを」


うんうん


「アイくんは、いつ頃出会ったんだ?ルリコさんと」


「僕はケンちゃんとレオナちゃんが会う、前の年だよきっと。カイロに行ったのは、そうだ。僕もピラミッドまで2人を案内したのが縁で、ぜひ日本でも会いましょうって言ったんだ」


うんうん

そんでそんで?


「ルリちゃんと名刺交換してね。その時はそれで別れたけど、また後日レストランで再会するんだよ!すごいでしょ?」


へーへー、すげえな。


「私たち縁あるわねー、って手振ってくれて。なんだかわかんないけど、完璧だなと思ったんだ」


うんうん


「海外でも日本でも、いろんな人に会うけどね。人生で大事な人だな、ってたまに確信するんだよ。仲良さそうにしてても、中身は全然違うこと考えてる人いるだろ?僕はそういう人がすぐわかるの。研究の成果を泥棒する奴とか、すぐわかるんだよ」


うーん


「そういう人は笑ってても顔が暗い」


うんうん


「完璧に明るいだろ?あの人」


うんうんうんうん


「ケンちゃんはレオナちゃんのどこが好き?」


「そうだな。まず顔が好きだべ。あとは、本当に優しくて、かわいいとこ。あと、めちゃくちゃ器用でビックリすんだ」


ほうほう。


ワインはすでに2本目に突入していた。

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