第130話 秘密結社【ブラック・ローズ】
私たちは思う。
この当たり前の幸せを守る事を、そしてこの当たり前の幸せを下さったご主人様に忠誠を誓う事を。
そして、誰が言い始めたのかは分からないのだが、気が付いたら私たちはご主人様為、そして治安維持の為の秘密結社【ブラック・ローズ】を作っていたのであった。
◆主人side
朝、いつものように目が覚め朝食を取り、学園へと馬車で向かう。
学園へと通い始め、この一連の流れが日常であると思い始めたあたり、帝都での生活も学園に通う事にも慣れてきたという事だろう。
因みに新しく増えた奴隷達に関してはマリエルに育成を全て任せている。
それは家の事をできるように育て、メイドとしてタダ働きをさせる為ではなく、彼女達がいずれ一人でも生活をできるように生きていけるようにこの世界での一般常識は勿論金銭を稼ぐ術(主に冒険者稼業として稼ぐ方法である為戦闘力向上をメインとした内容)を教えたり、興味がある学問や知識欲などがあれば教え、趣味ができたのであればサポートしたりといった感じである。
これに関しては人工知能を搭載して前世の知識を全てインプットしているマリエルだからこそ任せられる仕事であろう。
勿論仕事としてマリエルへ命令を下している訳なので、マリエルには高級工業用オイルやグリースをストレージから購入して与えている。
そのオイルを美味しそうに飲む姿や、グリースのチューブを絞りながら飲む姿は未だに慣れないのだが、本人は満足しているようならばそれで良いだろう。
ただ、奴隷達の見えるところでするとマネする者が出てくる可能性もあるので、それらを飲む場合は人目を避けるようにとは伝えてある。
因みに本人曰く『あぁ、このオイルの喉越しは何度飲んでもたまりませんね。最高です』『このグリースは少し臭いのが難点ではありますが慣れてしまえばこの臭いすら身体が求めるようになる中毒性がありますね』『オイル濃いめグリースマシマシでラーメンを作ればアンドロイド達にはバカうけ間違いなしですね……っ』と熱く語っていたのでかなり気にってくれたようで何よりだ。
その結果マリエルのやる気もマシマシになり、秘密結社【ブラック・ローズ】が誕生した事も、そのメンバーである奴隷達が着々と、とんでもない力を付け始めている事にすら気付かずに、暢気にそんな事を思いながら馬車に揺られて数十分。
学園に着いてので馬車の扉を御者が開けた先にフィリア・オブ・エノー姿が目に入る。
そしてフィリアの姿を見た俺は思う。
何故だか分からないのだが物凄く嫌な予感がする……と。
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