第122話 小国一つは堕とせるほどの強さ
因みに私の魔獣化は他の幹部たちを含めてかなり実験を繰り返している為、魔獣化したからと言って死ぬ事は無い。
そして魔獣化した姿は赤いドラゴンであり、たまたま手に入ってドラゴンの肉から細胞を取り出して培養し、私の腕を切り裂いて中へと生きた細胞を入れた後に、実験体たちを使って改良を重ねたオリジナル魔術を自らかけて魔獣化を可能にしたのである。
しかしながら、実験を繰り返し改良に改良を重ねたとはいえ流石ドラゴンの細胞である。
本体である私の精神を乗っ取ろうとしてくるとは流石に思わなかった。
しかしながら所詮は死んだドラゴンの肉片から培養された細胞である為何とか私の精神は乗っ取られることは無かったのだが、それでも約三日間は眠っていたとの事である。
これが脳細胞とかであればどうなったのかと思うとゾッとする。
流石伝説級の生き物いと言わざるを得ないのだが、今やこの私がその伝説級の身体を手に入れたのである。
しかしながらこの魔獣化にも欠点はあり、一度魔獣化すると一か月は魔獣化する事ができないという点である。
それでもこの姿は私の身体に入れたドラゴンの細胞が生前の頃の姿と強さを持っている上に私の魔力と魔術に関する知識もある為小国一つは堕とせるほどの強さはあるだろう。
勿論、炎を吐く事も可能だし、私一人で帝国に致命的なダメージを与える事は可能であるのだが、それでも恐らくSランク冒険者等の実力者を国中から集めて抵抗されると流石の私でも帝国を堕とす前に命を落としてしまうだろう。
帝国をこの世界から抹消したいのだが、帝国と心中したいわけではないので、裏でコツコツと今まで集めてきた帝国堕とし用の私の大事な駒たちを集め、あともう少しで戦力が揃うといった所だったにも関わらず、その努力と時間がコイツ等のせいで無駄にされたと思うと、腹が立ってきた。
確かにコイツ等で実験をするのは楽しみではあるのだが、それはそれ、これはこれで腹立つ事はやっぱり腹が立つ。
「でっかいトカゲね。しかも、さほど強い訳でもなさそうね。この組織のリーダーはどの程度強いのかほんのちょっとだけ楽しみだったのだけれども、所詮はゴミを束ねる頭もゴミという事ね」
「ですがルーカス様のお土産はこのトカゲのお陰でかなりの数になりそうですわね。その点に関しては褒めて差し上げましてよ」
そして更に腹が立つのが、ドラゴンの姿をした私を見てもこいつらは恐れないどころか魔獣化した私に勝てると本気で思っている事である。
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