第121話 なんて楽しそうな光景だろうか
「な……っ!?」
そう思っていたのだが、どうやらエドワーも幹部もやられてしまったらしい。
この感じだと、残っているであろう幹部では侵入者を止められない可能性がでてきた。
帝国七騎士にそのような人物が二人もいるという話は聞いた事がない。
しかも片方はあの宮廷魔術師長であるエドワーを凌駕するほどの実力を持っている程の実力者である。
そんな強者たちを帝国はどうやって今まで隠し通せてきたのか……エドワーですらそのような者がいるという情報を持っていなかった程である。
その事を考えると帝国はかなり本気だという事が窺え、ゾッとする。
「帝国め……どこまでこの私の人生、邪魔をすれば気がすむのよ……っ!!」
本当に腹が立つ。
しかしながら、そんな帝国の奥の手であろう二人をぶっ潰せるのだと思うと、それはそれで思わず口元が緩んできてしまう。
その為ならば最悪この組織が潰れてしまっても、それはそれで良いだろう。そうなればまた新しく裏組織を作ればいいだけなのだから。
その代わりこちらは帝国に大打撃を与えられるのならば安いものである。
あぁ、どうやって潰してやろうか……。
とりあえず、エドワーを倒す程の実力者である癖に帝国の犬に成り下がったその性根を叩き潰した後で死んだ方がマシだと思える程の苦痛を与えながら私の新しい魔術実験台にしてやろう。
最終的に隷属させた上で脳や身体を弄り、強化を施した上で帝城へ送り返してやろう。
やはりこういう物は持ち主へ返すのが礼儀だと思うしね。
あぁ、きっと帝城はハチの巣をつついたようにパニックになるであろう事が目に浮かぶ。
なんて楽しそうな光景だろうか……っ!
「あら、意外と早かったですね。 まだ私の作った組織【粛清する影】の幹部はいたはずだけど出会わなかったのかな?」
そんな妄想をしていると、いつの間にかかなりの時間が経っていたようである。
気が付いたら私の目の前に黒い衣装に黒い仮面を被った侵入者である二人がいるではないか。
「最初こそは組織をめちゃくちゃにされて怒りすら感じていたけど、わざわざ優秀なモルモットを探す手間がハブけたと思えば今日はラッキーな日なのかもしれないわ。あぁ、早く解剖して色々と中身をみたり弄ったりしてみたいわっ!!」
そして私はそう言うと、最初から出し惜しみせずに魔獣化すると、即相手に魔術で攻撃をする。
エドワーや幹部ですら倒せなかった相手が二人もいるのだ。力を出し惜しみして勝てる相手ではないだろうし、力を出さずして負けるなどという後悔だけはしたくない。
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