第103話 高い完成度の拷問


 何かしらデメリットがあったとしてもせいぜい傷口が腐り始めるだとか、回復しすぎて肉のコブができたりする程度だと思っていたので意外な結果であった。


 コイツで実験せずに自分に行使していたと思うと、心底ほっとする。


 また、回復魔術は精神にも何らかの効果を与えてしまう可能性があるという副作用に気付けた事は、かなり幸運であったと言えよう。


 この副作用を極めれば、様々な用途に使えそうである。


 ゴミはゴミなりに、最後に良い仕事をしてくれたではないか。


 そして私はこの結果を更に突き詰めたい欲求を抑え込み、まだ残っている復讐対象である者の中から私に婚約を申し込んで来た諸悪の根源の所まで行く。


 とりあえずこのゴミクズには聞きたいことがあったので、最後にその事について聞いてみると、そいつは『私に一目ぼれしたから自分の物にしたかった』というではないか。


 ならば何故私に好かれようと行動をするのではなく、嫌われるような行動ばかり取ったのか理解に苦しむ。


 その事を伝えてみると、そいつは『そんな方法があるなんて全く思いつかなかった。追い詰めればいつか折れて俺の物になると思ったし、家が没落したら没落したで私を引き取れば良い』とほざくではないか。


 ゴミクズはやはりゴミクズであったという事が分かったので、私はこれで心置きなく私の世界を地獄に変えた諸悪の根源を拷問の上で魔術の実験材料として使い、最終的に生贄として消費する事ができる。


 しかしながらこのゴミクズの父親にした拷問と同じ内容で苦しませるのは芸が無いと思うので、私はコイツに関しては五~六時間で終わる火あぶりではなく別の方法を考えた結果、熱したナイフで少しずつこのゴミクズの肉を削ぎ落していく拷問を考え付く。


 そうすれば六時間以上楽しめるであろうし、やはり火事で殺された家族の復讐である以上熱さを重きに置いて拷問したいと思っていたので実に良い拷問方法ではないかと自画自賛してしまう。


 そして思いついたら試してみたくなるのが世の常である。


 私は早速薪を持ってくると炎魔術で火をつけ、ナイフの刃を熱し始める。


 結果、この拷問方法はかなり良かったらしくゴミクズは結局拷問を初めてから二日経っても辛うじて生きていたのでかなり高い完成度の拷問であったと言えよう。


 そして流石にこれ以上は持たないだろうと判断した私はゴミクズの父親のよう、この二日間改良をしたオリジナル回復魔術改を行使したあと生贄に捧げて消費してやった。



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105~107話 サポーター限定で更新いたします(本日7時までにはアップいたします)


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