第101話 私は思ってしまう
勿論、純粋な疑問であり教えてくれたら助けるだとか、全財産をくれれば助けてやるなどとは一言も言っていないにも関わらず、そいつは『財産全て差し上げますっ!!』と言って来るではないか。
その必死な姿に面白くなってきた私は『じゃぁ爵位もくださいよ。全てくれるんですよね? 当然平民としてこれから生きていく覚悟があっての発言ですよねぇ?』というと『ふ、ふざけるなっ!!』と激高しながら怒鳴り返されたので最初の生贄はコイツからにすると告げると、そいつは『やめろっ!! まだ死にたくないっ!! 先程のは軽いジョークであり、本当は平民で生きていく覚悟はあるんだっ!!』などと喚いたり、それが通用しないと分かると『いいかお前らっ!? この俺にこんなことして帝国が黙っていると思うなよっ!? 俺を殺したら帝国がお前たちの事を敵として潰しに来るからなっ!!』と脅してくるので『なら、そんな奴を生かして返すのは余計に危ないのでここで殺してしまいましょう。死人に口なしとも言いますので、バレなければ何の問題もないでしょう?』と返すと、今度は『嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だっ!!』と糞尿を漏らしながら駄々をこね始めるではないか。
なので私はソイツの耳元で優しい声音で『お前が今までやってきた事じゃない。何で他人は良くて自分は駄目なの? というか私の家族がそうやって命乞いしたら、お前は助けてくれたの?』と言ってやると『当たり前だろうっ!』と返って来るので『じゃぁなんで私の家族は焼き殺されたんですかねぇ? ここで嘘を吐かずに真実を言えば助けてやったというのに、お前という人間は結局極限な状況になっても嘘を吐くという人物という事が分かったので、そういう嘘しか吐かないような者は信用できないから解放して外に出すなど出来るはずがないじゃない』と言ってあげる。
するとソイツはもしかしたら、ちゃんと本心で話せば外に解放してくれたかもしれないという『たられば』を考えてしまったのだろう。
その時のソイツの表情は今でも鮮明に覚えている程に良い表情をしていた。
そして私はそいつを外に連れ出すと、弱火でじっくりと焼き殺していく。
ソイツは足が焼ける熱さで叫び続けるも、数分で死ぬわけでもないので喉は潰れ、一時間後にはまるで地獄の底から聞こえてきそうな程な叫び声に変わり、そこから五時間ほどで下半身は炭化してしまい、内臓がドロッと落ちてしまう。
おそらく放っておくと後は勝手に死ぬだろう。
そこで私は思ってしまう。
勿体ない、と。
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