第100話 楽しくない訳が無い
この復讐方法を思いついた時は、まさに私たち家族を火事で殺した奴らに相応しい復讐方法だと思ったのだが私一人ではとてもではないが実行に移す事は難しかった。
ただ単純に殺すだけならば私一人でも各個撃破であれば難なくできたのであろうが、しかしながらそれでは面白くない。
やはり家族が味わった苦しみをこいつらにもしっかりと味わってほしいと強く思った私は、私が考えた理想の復讐方法を実現させる為にも、その貴族や帝国に対して恨みを抱いている者達を集めて裏組織を作ることにした。
すると、その貴族は相当恨みを買っていたのかかなりの人数が一気に集まってしまうではないか。
私の予想では半分以上が帝国に、多くても四割ほどが例の貴族へ恨みを持っている人物だろうと予想していたのだが、その私の予想は外れており、主に大半がその貴族に恨みを持っている者達であり、中には貴族の姿もちらちらと見える。
その事からも例の貴族はそれだけ他人から恨みを買っていたのだろう。
その中には私と同じようにあの貴族に没落するまで追い込まれた元貴族も複数人いる事からも、アイツらには情けなど無用だろう。
そして組織を着実に大きくしていき、実際に行動へ移した時は正に醜さが詰め込まれたような悪人であったノーマン、いや、ノーマンの皮を被った悪魔か何かだと言われた方がしっくりくるほどのクズであった。
奴らは最初『この俺にこんな事をしてただで済むと思っているのかっ!?』や『そもそもお前の家が我が家に逆らった事が悪いのではないかっ!!』などと言った暴言を、束縛されて私たちのアジトへと連れてこられているというのに顔を真っ赤にしながら怒鳴りつけるのだから、私は相手の滑稽さに思わず笑ってしまう。
すると相手は『何で笑うんだっ!!』などと喚き始めるので『今から死ぬ奴の言う脅しが怖いわけが無いじゃない』と返すと、そこでようやっと自分達の置かれている状況を理解したのか、今度は『妻や子供たちは殺しても良いっ! だが俺だけは助けてくれっ!! そうだっ! 助けてくれたら財産の半分をやろうっ!!』などと家族を売り始める始末。
因みに他の者達も似たようなもので、自分の家族を売って助かろうとするその姿は、見ていて実にスカッとしたものである。
あんなに偉そうな奴らが、今私の前でへこへこしながら家族を売ってでも助かりたいと乞うてくるのだから、これが楽しくない訳が無い。
しかしながら腑に落ちない事があったので『でもお前を殺せば財産は全て手に入るのに何で半分なんですかねぇ?』という疑問を投げてみる。
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祝100話!!(*'▽')
ここまでこれたのも皆様のお陰でございますっ!!
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