第99話 復讐を果たす為に生きていく
そんな時隣の領地の貴族、その長男が私の事を気に入ったらしく婚約の申し込みがあったのだが、私はその縁談をお断りした。
当然である。
そこの領地の家族は長男を含めて全員がクズで有名であり、とてもではないが嫁ぎに行きたいと思える様な家族ではなかった。
人を人と見ておらず、基本的に自分よりも爵位の低い貴族に対しては常に横柄な態度を取り、殴る蹴るの暴力行為は当たり前であり、特に異性に対しては強引に関係を持とうと迫られたという被害は後を絶たず、一夜の関係を断った家に関してはネチネチとした嫌がらせを飽きるまで行う事で有名であった。
それでも数か月我慢すれば相手は次のターゲットへ移るのでそれまで耐え凌げば良いと、今回の縁談も軽く思っていたのだが、私がその縁談を断ったせいで、そこから私たち家族と領民たちの地獄が始まったのである。
その未来が分かっていれば私一人の犠牲で家族も領民たちも平和に暮らせるのであれば、私はこの縁談話に首を縦に振っただろう。
ちなみに相手の言い分を要約すると『目上の者に対して後ろ足で砂をかけるような行為』だの『プライドを酷く傷つけられた』だのと結局のところ自分達の事しか考えておらず相手の事は一切無関心である事が窺えるような内容の抗議内容ばかりであったので私の両親もそれに対して『こちらには一切の非はない』と跳ねのけ無視を決め込んでいた。
すると、相手の貴族は何かしら難癖をつけては私たち家族や領民へ嫌がらせをするようになった。
初めは領地内にある道に汚物を撒いたり、パーティーなどでわざと飲み物をこぼして服を汚したりというのが続き、それは井戸に汚物を撒いたりパーティーでは急に私たち家族へ暴力を振るったりと次第にエスカレートしていった。
勿論、その都度抗議と賠償を求めるのだが相手はどこ吹く風でのらりくらりと躱し、実際裁判で判決を出された賠償金もなんだかんだと取って付けたような言い訳をしては後回しにしていく始末。
そして、最終的に深夜に私の住んでいた実家は燃やされ、私以外の家族は全員その火事で無くなってしまった。
その時私は、私の家族を殺したあの貴族たちと、そして嫌がらせをしていたのは明白にも関わらず何も行動を起こさなかった帝国に復讐する事を強く誓った私は、私を捕まえようとする奴らから必死に逃げながら血反吐を吐くような努力を重ね、私の家族を殺した貴族に対して復讐を果たす為に生きていくと誓った。
そして思いついた復讐の内容は、一人ひとり捕まえ、地面に突き刺した丸太に磔にすると、弱火でじっくりと肉を焼いて行くという方法である。
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