第84話 正に良い事尽くめ
そもそもダークエルフというだけで不吉だの何だのと毛嫌いをする人たちが多く、その為需要が無いダークエルフは闇だろうと表だろうとダークエルフの奴隷は市場になかなか流れてこない珍しい個体であるのだ。
エルフなどは人気があるのでかなり高価ではあり、さらに奴隷販売そのものが帝国で禁止されおり、それに加えて基本的にどのエルフも魔術に長けており捕獲するのもかなり難しい為奴隷の販売数自体はかなり少ないのだが、それでも少ないだけで市場を探せば一個体は必ずいるので金さえ用意できれば比較的簡単にエルフの奴隷は、状態さえ気にしなければ比較的簡単に買える事ができる。
ようは、その金額を用意するのが難しいというだけである。
しかしながらダークエルフはエルフ同様に魔術に長け捕まえるだけでも困難にも関わらず需要が無いため高値で売れず、エルフと違ってリスクの割にリターンが無さ過ぎる為、探せばいるエルフと違って探しても居ないのでいくら安く売られるようとも売っていないのだから買いようが無いのがダークエルフという存在である。
どちらも凡人からすれば入手しづらいのには変わりないのだが、潤沢な資金がある物からすれば金さえ出したら変える物と金を出しても買えない物とでは全く違って来る。
まぁ、そんな話はさておき、お待ちかねの実験経過観察である。
とりあえず隷属させているので命令で身体を動けなくさせてから色々と調べて行く。
体調的には今のところ問題なく、目立った身体の不具合も特に見られない。
そして次に採血をしてから近くにある実験用の的に向かって炎魔術段位二【火の玉】を行使させる。
するとダークエルフ、ノーマンである元孤児その両方で魔術の威力が向上しているではないか。
「これはこれはこれはこれは……大発見かも知れませんねぇっ!!」
その結果を見た私は興奮して思わず両手を広げて満面の笑顔になってしまう。
やはり魔術の研究というのは、これがあるから止められない。
そして、この実験がうまくいけば私はさらに強くなれるという事である。
強くなれるという事は、万が一私の実験がバレた場合に私を止められる者がその分いなくなるという事でもある。
正に良い事尽くめではなかろうか。
そして私は、足取りも軽く別の実験体のいる部屋へと歩いていく。
「あぐ……っ」
その部屋には生きた魔獣の細胞を移植した実験体がいる部屋であるのだが、これは失敗だなと一目で分かるくらいには彼女の肉体が崩れてきており、恐らくもう自我すら保てているのかすら分からない状態である。
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