第81話 実験動物

「あ、謝るっ!! お前に対して行った無礼な態度も全て認めるっ!! だからもう止めてくれっ!! お前が段位十の魔術を行使できるというのも認めるからっ!!」


 そして俺はルドルフへ『まだ謝罪せず罪を認める事はしないのか?』と聞くと涙と鼻水を流しながら謝罪もするし罪も認めると言うではないか。


 根性の無い奴め。


 しかしながら圧倒的な力の差と、想像を絶する恐怖というのはやはり人の心を折るのには最適であり、それが例えルドルフであろうともその肥大して凝り固まったプライドは一瞬にして粉々に砕け散ってしまったようだ。


「すまん、何を言っているのか聞き取れなかったからもう一度別の魔術を行使するわ。お前もこういう機会は中々無いからもっと他の高段位の魔術を見たいだろうし、その身で受けてみたいだろうからな」


 だからといってここで手を緩めてしまうと『なんだかんだでチョロい奴』だと思わたら二度手間なのでルドルフの言葉は聞こえていない体で徹底的に追い込む事にする。


 こんなんだから前世の組織も敵勢力によって簡単に内部分裂させられたんだろうな、と自分でも思うところはあるものの、こんな性格だから真っ当な方法ではなく裏で組織を作って気に入らない悪人どもを裁いて来たのだ。


 今更この性格をどうにかしろとか無理な話であるので、だからこそ今世では開き直って『ならいっそ奴隷だけで組織を作るか』という結果になったのである。


 あと、単純にムカつくやつを徹底的に分からせるという快感に魅了されているというのも正攻法で対処しない要因としてかなり大きいだろう。


 こんな快感、証拠をもって出すべきところに出し、正攻法で戦ったところで得られないのだから。


 そして俺はこの後様々な方法でもって小一時間はルドルフを頭部だけの生首にしては再生するという事を繰り返すのであった。



◆とある裏組織side



 麻薬密売組織である『神の代弁者達』が裏世界で何者かによって消されたというのは、直ぐに広まった結果、今帝都ではその『神の代弁者達』のテリトリーであった場所の争奪戦が裏の世界で行われており、毎日朝になると帝都のにはその者達の死体が何体か転がるようになっていた。


 そしてこれは、私達にとっても労せず新鮮な死体を手に入れることができる為、かなり嬉しい状況でもある。


 バカはバカらしくテリトリーとかいう意味のない物に命をかけていれば言い。


「シスター様、ここ最近は凄く機嫌がよさそうですねっ!!」


 そんな事を考えていると私が隠れ蓑にしている孤児院兼教会で暮らしている孤児であり、実験動物が話しかけて来るではないか。


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84~86話 サポーター限定で更新いたします(本日4時までにはアップいたします)


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