第76話 死ぬの?



 その事が、ルドルフの表情からも見てとれる。


「うん、良い表情をしているではないか。言わずともその表情を見ればルドルフ、お前が今どんな事を思っているのか伝わってくるくらいには良い表情だなっ!!」


 そのルドルフの表情からは『何で俺の行使できる最高最強の魔術を喰らって無傷なんだよっ!?』というルドルフの心の叫びがダイレクトに伝わってくるくらいには、最高に良い表情をしている。


「しかしながら、何だっけか『自分の実力をちゃんと把握できていないから足元を掬われる』みたいな事を言っていたようなきがするんだが、それはどうやらルドルフ、お前自身の事だったようだなぁっ!!」

「ぐぅぅうううう………………………っ!!」

「いや、唸ってないで選べよ。土下座して謝罪の上俺の家を馬鹿にした事の罪を受け入れるか、このまま俺にボコられるか」


 そして、最後の起死回生の切り札すら通用しなかったにも関わらず、俺を睨み付けながら唸るだけで一向に負けを認めようとしないので、優しい俺はルドルフのために二択まで絞って選ばしてやる。


「一体どんなイカサマをしたんだっ!? 卑怯者のクズ野郎がっ!! 貴様がイカサマをした時点でこんな決闘は無効にするに決まっているだろうがっ!! そして貴様貴族の神聖な決闘でイカサマをグボほぉっ!?」

 「そもそもこの決闘は何でもありというルールだったよな? てかさっきも言ったよな? そしてこのルールはお前が決めたんだよな? 何なの? 馬鹿なのお前? 死ぬの?」

「うるせぇっ!! そもそもそんなルールなど誰が証明するんだっ? その事を誰が証明ガハァッ!?」

「いや、正直な話お前という人間を信用している訳がないだろう? だから教室での一件でも証拠を取っていたし、案の定お前は自分の立場が悪くなるとちゃぶ台をひっくり返して嘘をでっち上げ俺が悪いかのように言い始める。今回だって自分が負けるとなった瞬間にイカサマだなんだと文句を言い、それだけでは無く『お前はイカサマをしたのだから罰せられるべきだ』などと揺さぶってくる始末。そんな奴と相手をする時点で俺がこの決闘でも初めから動画と音声の両方でしっかりと証拠は押さえているに決まっているだろう。というかお前自分が周囲からどういう人間だと思われているのか客観的に見たほうが良いぞ? はっきり言ってお前がやっている事はただの詐欺師みたいなもんじゃねぇかよ」

「き、貴様………どれだけこの俺様を侮辱すれば気が済むアギャンッ!?」

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