第61話 潰すのならばお金も稼げた方が良い





「それでリリアナ、冒険者ギルドで有力な情報はあったか?」

「そうですわね、懸賞金がかけられている者の中からルーカス様が喜びそうな者をピックアップして来ましたわ」


 学園初日を何とか乗り切った俺は今、ディナーを食べながらリリアナが冒険者ギルドで懸賞金をかけられている者の中からピックアップしてくれたものを更に吟味し始める。


 ちなみに食事中なのだが使用人たちには全員出払ってもらっており、出された料理はストレージから毒物検出機器を使い混入されていないか調べた上で食べている。


 奴隷ではない人物が作った食べ物など信用できないからな。


 それでもヘイトを溜めて俺に憎悪を向けられてしまうのも面倒くさいので暴力は勿論高圧的な態度は取らず、給金も少しだけ高めに設定してある。


 そしてリリアナにピックアップしてもらった者達の中から俺はとある人物に目星をつける。


「コイツにしようか?」

「かしこまりましたわ」

「久しぶりの狩りね。今から興奮してきちゃうわね……っ」


 そして俺が選んだ人物は、この賞金額の中でも一番金額が低い者である。


「やはり賞金額が多いのは後の楽しみとして取っておかないとな」


 とは言ってもリリアナがピックアップしてくれた者の内の一人である為ただの雑魚ではなく、裏の世界ではそこそこ名の知れた組織のリーダーのようである。


 ちなみにその組織のリーダーの名前はヘンリー・ショーン・テンプルであり、そのヘンリーが率いている組織名が【神の代弁者達】という組織である。


 ちなみにこの【神の代弁者達】が何故帝国に目を付けられているのかというと神の薬と称して麻薬を裏で販売しているからである。


 そして、リーダーであるヘンリーに関しては賞金がかけられている為首を持って行けばお金になるのだが、その他にも幹部数名も賞金がかけられており、末端の組織であってもその首にはいい意味でも悪い身でも価値は無く、殺しても金にはならないが殺人として罰せられる事も無い。


 裏の組織の時点で皆殺しにしても咎まれる事は無いのだが、今回の討伐対象にした組織は幹部の首にも価値がある無しというのは大きいだろう。


 それだけ狩り甲斐があるという事でもあるからな。


 やはり、どうせ潰すのならばお金も稼げた方が良いだろう。


 なんてったて金は裏切らないからな。


 しかも組織を潰せばそれだけ世界、というには大げさかも知れないが俺の周囲で見れば平和になる訳なのだから良いこと尽くめである。

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