第48話 努力をしてきた
「なら大丈夫そうだな。模擬戦の、他国の基準は知らないのだが、基本的に帝国内であれば全ての冒険者ギルドで統一しているからな。しかしながらルールを説明していなかったと難癖つけるとは思わないのだが過去に負けた時の良い訳で『そんなルールがあるとは知らなかった。模擬戦を行う前に説明を怠った試験官の責任だ』と喚くバカがいるのも事実だから、一応ルールを簡単に説明させてもらいますね」
そして試験官はそう言うと、模擬戦のルールを簡易的ではあるものの説明をしだす。
そのルールとは
●段位三以上は行使してはいけない
●試験官を倒すか、試験官からの攻撃に三十分耐え凌げば合格
●武器はギルドが予め用意した練習用の武器を使用する。
●それ以外の武器を使用したい場合は予めギルド職員にレプリカを作ってもらうように申告しておくこと。
●それら以外の武器を使った場合は基本的には失格であること。
大体纏めるとこんなものである。
要約すると殺傷能力の高い魔術や武器を使うなという事なのだろ。
まぁ確かに冒険者ランクAに昇級できる見込みがあると冒険者ギルド側が判断するほどの実力者であれば魔術の威力や武器の攻撃力よりも魔術や武術のセンスの方が重視でもあるのだろうし、高火力魔術や武術を行使できるというのは大前提なのだろう。
「では、合図を頼む」
「わかりました。…………はじめっ!!」
そして試験官は受付嬢へ模擬戦開始の合図を頼むと、リリアナと試験官は闘技場の中央へと向かい、一礼した後受付嬢の合図と共に模擬戦が始まる。
「リリアナは大丈夫なのだろうか? いや、大丈夫なのだから模擬戦は受けたんだろうが……」
「大丈夫だと思いますよ、ご主人様。むしろ昇級試験の為にリリアナはご主人様から爆発系の魔術を教えて貰い、頑張って覚えたのですから。それにそもそも冒険者に登録した理由はリリアナ自身がご主人様から貸し与えてくださった【拳銃式自動魔力転送媒体器】を頼らなくても強くなる道を模索する為ですので、その努力の結果をしっかりと見届けてあげてください」
しかしこの模擬戦のルールではリリアナは【拳銃式自動魔力転送媒体器】を使えないという事となり【トーチ】くらいの魔術しかそもそも行使できないリリアナはかなり不利なのではないかと思ったのだが、リリアナは裏でかなり努力をしてきたという事をサシャから教えて貰う。
「……なるほど、ではしっかりと見届けるとするよ」
そういうと俺はサシャからリリアナの方へと視線を向ける
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