第47話 雷鳴の戦乙女
そして俺たちは受付嬢の後をついて冒険者ギルドの施設内を歩いていく。
当たり前といえば当たり前ではあるのだが、どうやら施設自体は中で繋がっているようだ。
「では、試験官の方には一応話は通しておりますので、その方が到着するまでここで待機していただきますよう何卒宜しくお願いいたします」
そのまま俺たちは受付嬢の後を付いていき、とある控室である一室へと案内されると、ここへ試験官も来るとの事なのでそれまで待っているようにと説明を受ける。
「因みにリリアナは昇級試験の内容を知っているのか?」
「はい。FからDまでは筆記試験と模擬戦、D以上の昇級試験は模擬戦と実績ですわね。実績に関しては普段の素行なども含まれておりますが、模擬戦を勧められた時点でパスしておりますので現段階では実質模擬戦さえクリアできれば合格という事ですわね……っ」
「そっか。まぁリリアナは今まで頑張って来たから模擬戦も余裕で突破するだろう」
「あ、ありがとうございますわっ」
「それにしてもリリアナは凄いですよね。素直に尊敬しちゃいます」
「それをいうと私もサシャの事は凄いと思っていますよ?」
そんな感じで奴隷達と会話をしていると、控室の扉が開き、魔杖とローブを着ている魔術師っぽい男性が一人入ってくる。
「すまない、少し遅れたようですね」
「いえ、俺達も今来た所ですのでお気になさらず」
「そうか、そう言ってもらうと助かります。それで、今日昇給試験を受けるのは君たちの内誰ですか?」
「あ、わたくしですわっ!! リリアナと言いますっ!! よろしくお願いいたしますわっ!!」
「ほう、君があの雷鳴の戦乙女なのか」
「えっと、すみません、聞き取れませんでしたわ.......っ」
「あぁ、大丈夫です。こちらの話ですので」
その試験官である男性は遅れた事を謝罪した後、今日試験を受けるリリアナと話始めるのだが、どうやらリリアナの名前は二つ名が付くほどには有名なようである。
「とにかく、リリアナ君のような将来有望な若者の昇級試験の試験官を担当させて貰えるとは、光栄です。では、早速闘技場の方へと向かいましょうか」
そして俺たちは会話もそこそこに、早速試験会場でもある闘技場へと向かう為に部屋を出る。
「ではこれより昇級試験を行うのだが、模擬戦のルールは説明しなくても大丈夫ですか?」
「大丈夫ですわっ!! ちゃんと予習復習はしておりますので、タリム領の冒険者ギルドとルールが変わらないのであれば問題ないですわっ!!」
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