第29話 去勢


「あら、良く言いますわ。初めからわたくしを犯す事しか考えていなかった猿みたいな思考回路をしていらっしゃるのに……。それとも知能も猿並みなのかしら? それであれば納得ですわね」


 そう言いながらわたくしは受付嬢へと視線を向けると、物凄く良い笑顔で「やってしまってオッケーですっ!! むしろこんなゴミどもなんかぶっ飛ばしちゃってくださいっ!!」と許可をだしてくれる。


「ぐぎぎぎぎ…………っ!! 貴様、この俺を誰だと思っているっ!?」

「知らないわよ。そもそも有名であればなんなのかしら? 有名だからって他人を見下しばかにし、女性を犯しても良いという訳ではないでしょう? 貴方が誰かなんて全く関係ないどうでも良い事ですわ。そんな事も理解できないようだと、やはりその知能は猿並みだという事で間違いないですわね」

「お前、一線超えたぞ? 女だからと優しくしてやっていたのに、もう泣いて謝ったって許さねぇ……」


 とりあえず、バカはやはりバカのようなので冷静に間違っていると指摘すると件の男性は顔を真っ赤にしながら背中に背負っていた剣を抜き、わたくしに剣先を向けて来るではないか。


「あなた、冒険者に対して剣を抜く……それがどういう意味を持っているのか分かっているのかしら?」

「あぁ、しらねぇなぁっ!! 今さら怖気づいたんならそう言えば良いだろうがよぉっ!!」

「あらそう、ならわたくしが貴方達に猿でも分かるよう教えてあげましてよ?」


 冒険者に対して剣を抜く行為がどういう行為であるか、一応聞いてみるのだが、それをわたくしが怖気づいたと勘違いして男性とそのパーティーメンバーであろう取り巻き達はニヤニヤとしだす。


 もう本当にこの者達には何を言っても無駄だと悟ったわたくしはルーカス様より貸し与えてくださったキューブに魔力を注ぎ【拳銃式自動魔力転送媒体器】を起動すると人数分の銃を複製して男性たちの股間目掛けて魔弾を撃ち込む。


「わたくしも鬼ではございませんので命までは取らないで上げますわね。ですがこんな、女性を性欲の捌け口としか思っていないゴミについていると更に被害者が増える一方ですので、新しい被害者を産まない為にもしっかりと去勢させていただきますわ」


 そしてわたくしは股間を撃ち抜かれ、痛みによって転げ回る男性たちに優しく告げてやりながら、これが原因で感染症などになり死んでしまうとわたくしも心苦しくはある為一応『回復の効果を持った魔弾』を撃ち込んであげる。


 あぁ、なんとわたくしは優しいのかしら……っ!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る