第28話 バッサリと切り捨ててやる
そしてわたくしはギルドの受付嬢からお互いに利益が大きい依頼が何であるか話し合い、ここ最近東の山で鳥形の魔物であるハルピュイアイの個体数が増えて来ているから間引きして欲しいという依頼であり、報酬もそこそこ高い。
しかしながら冒険者たちが嫌がる理由は近づくとフンをまき散らしてくる為であり、遠距離攻撃に長けた者でなければ糞まみれになってしまう。
そして遠距離攻撃が得意な者がいたとしても、一匹二匹ならばまだしも集団で襲われた場合はやはり糞まみれにされてしまう。
その為遠距離攻撃が得意な者だけで構成されたパーティーで基本的に挑む事が多くなるのだが、その場合は臨時で組む場合が多く、塩漬け依頼になりやすいという訳である。
ちなみにハーピーとの違いは、ハーピーの身体は人間でその顔は美しいのに比べてハルピュイアイの場合は顔だけ人間でありその顔は醜いという違いがある。
「なぁ嬢ちゃん。俺たちとパーティー組まないか? なんだったらそんなゴミみたいな討伐依頼じゃなくてよ、俺たちがもっといい仕事を教えてあげようか」
そしてわたくしは席を立ち、ハルピュイアイの討伐へ向かおうとしたその時、やはりというか何というか、先ほどまでわたくしの後ろでにやにやと下品な笑い方をしていた連中が絡んでくるではないか。
「今なんと言いましたの? この依頼をゴミみたいな依頼と申しましたの?」
「あぁ。ゴミみたいな依頼じゃないか。そんなゴミみたいな依頼を引き受ける奴は討伐の為に遠距離攻撃をわざわざ集めた臨時のパーティーか、素人のどっちかだ」
そう男性はわたくしを馬鹿にしたような表情と声音でそういう。
ようはこの男性はわたくしの事を『何もしらない素人』だと言いたいのだろう。
「……わたくしを素人と見下すのは許しますわ。けれどもそうやって右も左も分からない冒険者なりたての女性を何人食い物にしてきたのかしら? その事を想像するだけで許せませんわね……。 それ以上にギルドが紹介している依頼は見方を変えると『誰かが困っている』という事でもございますの。それを『ゴミみたいな依頼』とは……そう言う貴方達の方がゴミクズの間違いではないのかしら? あぁ、自己紹介をしてらっしゃるのでしたら先に謝りますわ」
「ぐぬ……てめぇ、犯されたいのか……っ?」
とりあえず、わたくしの経験上こういう奴らは何を言っても無駄であり『自分たちの思い通りになるまで絡んでくる』というゴミクズしかいないので、バッサリと切り捨ててやる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます