第23話 ギャフンと言わせてやろう
「ふむ……なるほど。ゴールド家が自分の娘を捨てたという噂は聞いていたのだが、どうやら本当だったようだ」
「お、久しぶりですわエドワード様」
「……うむ、ちゃんと挨拶も自分からできて良い娘さんじゃないか。ゴールド家で開かれたパーティーぶりだね」
お父様とリリアナは一度ゴールド家が開いたパーティーであった事があるらしく、お父様も表情や態度を見る限り好意的な感じでホッと胸を撫で下す。
「……それで、リリアナをルーカスの奴隷にする事は別に構わないのだけれども、ルーカスはリリアナを奴隷にする理由とかはあるのかい? 許可を貰いにわざわざ俺の元まで来たってことはプレゼンも考えてきているのだろう?」
そして、お父様はリリアナを奴隷として迎え入れる事には許可するとの事なのだが、リリアナを奴隷にする為の許可を得るために考えてきた言い訳を教えて欲しいと言われるではないか。
「そうですね、僕であればリリアナを帝国一の魔術師に育て上げる事が可能です。あとは、学園入学まであと五年、今から新しい奴隷を購入して育て上げるよりも貴族の社交辞令や立ち振る舞いを教育されているリリアナであれば即戦力として側に置くことができますのでサシャ一人にかかる負担を減らす事ができます。ここはマリエルに手伝ってもらおうかとも思っておりましたが、ゴーレムだとバレ、僕の能力を悟られてしまう可能性がある以上ここはやはりもう一人奴隷が欲しいと思っていたところでしたし」
「…………ふむ、なるほど。流石俺の息子だなっ!! 聞いたか母さんっ!! 俺たちの息子の、大人顔負けの説明をっ!!」
「えぇ、そうね。なんて頭が良いのかしら……っ!」
その俺の説明を聞いた両親はきゃっきゃと嬉しそうにはしゃぎ出す。
結局俺に子供として見た時に多少違和感があるような態度を取ってしまった場合もこの親バカ両親の前では俺を持ち上げる為の材料にしかならないのでかなり助かっている部分はある。
「しかしながら、ゴールド家が才能がないと判断した娘を帝国一の魔導士に育て上げる……か。実に面白そうではないかっ!! 父さんにもその話に少し携わっても良いかいっ!? 金銭が足りないと言うのであればスポンサー的な立ち位置でも構わないからさっ!! いやー、ここ最近のゴールド家には鬱憤が溜まっていてねぇ……。特に自分の娘を才能がないと判断するのもそうだが、だから捨てるという判断にも物凄く父さん腹立って仕方がないんだ……っ。この機会にギャフンと言わせてやろうではないかっ!! お前たちが手放した娘さんは物凄い才能を持っているんだぞっ!! っとっ!!」
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