第13話 私の復讐の相手
そう言いながら私に迫って来た賊共は、次の瞬間には身体を切り刻まれサイコロステーキみたいに肉塊が地面に転がり落ちる。
「あっけない……。そして、こんなゴミみたいな連中に私の大切な故郷と両親を奪われたのかと思うと余計に腹が立ってくる……っ」
あの時今のような力を手にしていれば、もっと早くご主人様と出会えていれば、などとあり得ないたらればを考えてしまう。
そして私は肉塊を踏みつぶしながら先へと進む。
ぐちゃり、ぐちゃりと私が歩く度に聞こえてくる音を聞いて、今まで私を縛っていたドス黒い感情が和らいでいくのを実感できる。
賊どもをぞんざいな扱いで殺した後に、まるでゴミのように(実際私からしたらゴミなのだが)踏みつぶしてやることによって、同じくぞんざいな扱いをされて殺されていった村の仲間や両親たちの尊厳を取り戻せているような、そんな感覚である。
「ひ、ひぃ……っ」
「こ、こっちに来るなっ! 化け物っ!!」
「今まで自分達は他人を物のように扱って来て、いざそれが自分の番に回ってきたら逃げるとは……ゴミは何処まで行ってもゴミという事ね……。分かってはいた事だけれども、やはり不愉快だわ」
そして私の視界に入った賊どもを肉塊に変えながら、忘れもしない、私の倒すべき相手を探すために私は先へと進む。
いったい何人の賊を肉塊に変えていったのだろうか?
「あ? 誰だお前? 今良い所なんだから他所へ行け。それとも何か? お前から犯されたいのか?」
やっと私の復讐の相手を見つける事ができた。
そいつはご丁寧に洞窟の中にひと際大きな部屋を作っており、その中にある大きなベッドの上で私と同い年くらいの見た目をしている金髪碧眼のノーマンの女性を犯そうとしている所であった。
「ゴミが……」
「あ? 発言に気を付けろよ? クソガキ。それと、お前はあとで犯してやるから逃げるんじゃあねぇぞ? まぁこの部屋に入って来た時点で逃げられるなどとは思わない事だな。とりあえず、それまでにその変な装備を外しておくんだな」
そして男性は私の身体と顔を舐めるように確認すると後犯すと宣言して『ぎゃははははっ』と笑うではないか。
「そう、別に逃げるつもりなど毛頭無いから関係ないわ」
「お、良いねぇ。この女みたいに俺に歯向かうクソガキも嫌いじゃあないが、お前みたいに従順なクソガキも嫌いじゃぜ?」
「う、うるさいですわよ糞野郎……」
「あ? まだお前自分の立場を分かって無いのか? おらっ!!」
「ぐえっ!」
そしてそいつは私の目の前で女の子の腹を殴るではないか。
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