心の棘

Unknown

心の棘

 冬に暖かさを求めて群がりたいヤマアラシですが、鋭い棘のせいで互いにくっ付く事が出来ません。ヤマアラシは親密な相互関係を望んでいますが、彼ら自身の厄介な性質(鋭い棘)がそれらを難しくしています。


 人間もヤマアラシによく似ている。俺は彼女を棘で傷付けた事がある。彼女の棘で俺が傷付いた事もある。心をくっ付け合おうとするとたまに俺はやらかす。君もたまにやらかす。


 元カノがカラオケでaikoのカブトムシを歌って、俺はその歌のうまさに感動した。だからなんだ。


 そういえば俺は酒に酔っている時に、彼氏持ちの女友達に「大好き」とか何日もLINE送りまくって困らせた事がある。酒で記憶がぶっ飛んでいた事は言い訳にならない。


 俺は好きな人に超ストレートに大好きと伝える事に躊躇が無い。酒で記憶が飛ぶと増長する。


 昔、元カノとは別の彼女と付き合ってた時、俺は一度だけ酒で記憶をぶっ飛ばした事がある。その際、俺は「あの部屋に幽霊がいるから来て」と言って彼女の手を掴んで別の部屋に連れて行った。彼女は「幽霊なんていないよ」と言ったが、俺は「いや、ここにいるんだよ」と何度も言った、らしい。ちなみに俺は人生で幽霊を見た事が一度も無い。


 どうでもいいことを書いた。


 仕事やめてから、ほとんどアパートに引きこもっている。彼女と別れてから、店員と精神科の受付と主治医としか喋っていない。自分の世界に毎日引きこもっていると、どんどん俗世の価値観から置いていかれる。俺は20歳から25歳まで実家に引きこもって、27歳の今はアパートに引きこもっている。成人してからは基本的に引きこもって生きていた。人とのコミュニケーションはネットでしか行ってこなかった。病んでいる引きこもりの女の子が主催しているコミュニティの中に何年も入っていた。手軽に人とコミュニケーションが取りたい時はネット掲示板で顔も名前も知らないやつらと話した。


 人生経験は顔に出るってよく聞くけど、人生の中であんま働いてこなかった俺は27歳にしては少し幼く見える。でも若干やつれている。あと昔に比べてほうれい線が少し出てきた。


 2024/01/31。午後の1時過ぎ。俺はまたしても缶チューハイを飲んでいる。タバコを吸っている。音楽を聴いている。誰とも関わらず。こうしているのが1番楽だが、いかんせん金が減る。


 働いてないから深夜から朝までゲームして、朝から寝て、正午に目覚めた。今はうんこみたいに舐め腐った生活をしている。


 耳にカナル型イヤホンを装着して爆音でロックを聴きながら酒を飲んでアイコスを吸う。いつも同じ。


 俺はTHE NOVEMBERSの「こわれる」のLive動画をYouTubeで爆音で見ている。こわれる、めちゃくちゃかっこいい。この動画は音源よりもボーカルの声がめちゃくちゃ出ていて、魂を感じる。聴いててクソ気持ちいい。もしよかったら見てください。


「こわれる Live」で出ると思う。


 魂のギターソロからのラスサビの流れが最高すぎる。個人的にノーベンバーズのボーカルの小林のビジュアルに憧れている。「鉄の夢」っていうLive動画もYouTubeにあるんだけど、その動画のサムネの小林がめっちゃ爽やかでかっこいい。


 ですが俺が1番ビジュアル的に憧れるのはsyrup16gの五十嵐の若い頃の姿。ぼさぼさの髪でアゴ髭が生えてて気だるそうでかっこいい。


 もちろん今の五十嵐隆もクソかっこいい。俺はよくLiveに足を運ぶけど、50歳とは思えないくらい色気とオーラがあってかっこいいし、上下黒の衣装と赤いエレキギターがよく似合ってる。あんなかっこいい50歳、他にいない。


 やっぱり雑誌とか映像で見るより、生で見るスターは数段かっこよく見える。一般人と比べて、オーラもかっこよさも全然違う。


 俺はsyrup16gが大好きで、CDや映像作品は全部持ってる。レコードも発売した事があるんだけど、レコードの再生機器が無いからレコードは持ってない。レコードで聴くとまた違うもんなのかな。


 1番最近の曲で最も聴いてるのは「うつして」です。ラストの泣き叫ぶようなギターソロが美しくて神聖で、泣きそうになる。実際、うつしてのラストのギターソロをライブで聴いた時に俺は静かに泣いた。泣いたというか、自然と目から涙が流れていた感じ。


 syrup16gのライブの客層は、男女共に黒髪が多くて、静かで優しそうな人が多い。そして50歳のバンドなのに若い人も多い。世代を問わず愛されるってことは、それだけ音楽性が唯一無二のものだということだ。


 きのう、Twitterでsyrup16gがライブの告知をした。凛として時雨っていうバンドとのツーマンだ。


 凛として時雨も俺は一時期よく聴いてた。


 テレキャスティックフェイクショーって曲がめちゃくちゃかっこよくて、俺がロックバンドを主宰してた時に同じような構成の曲を作った事がある。その曲ではドラムの女の子にメインのボーカルを務めてもらった。俺はギター・コーラスだった。今もパソコンに音声データ残ってるかな。残ってたらYouTubeに投稿したい。


 今回のsyrup16gのライブは行かないかな。そこまで凛として時雨が好きなわけでもないし。キャパも少ないしチケット当たる気がしない。


 syrup16gの曲を生で聴きに行くなら、やっぱりワンマンのツアーを観に行きたい。20曲以上演ってくれる。2時間くらいがあっという間に過ぎてしまう。


 ◆


 酒が少し回ってきた。20歳からずっと飲んでる酒のせいでおそらく俺の脳は萎縮してる。


 書くことが無くて、いつもと同じようなエッセイになっている。(これをエッセイと呼んでいいのか分からん。一応ジャンルとしては私小説になるのかなと思う)


 ほんとにいつも俺は酒・タバコ・音楽・クスリばっかの生活で、はっきり言って書くことなんて何も無い。最近はよくゲームしてる。


 最近はバロラントとかパルワールドとか流行ってんのかな。でも俺はボイスチャットしながらゲームしたりする友達いないし、オンラインで一緒にゲームする友達いないから、そっち系のゲームは手を出さない。


 俺がやるのは専ら1人用のゲーム。最近はRPGを遊んでいる。


 最近はゲームって1人でやるものじゃなくて、友達とオンラインかつ通話でわいわいしながらやるもんになっている。俺が高校生の時もその風潮はあって、友達のいない俺はそういうゲームをほとんどした事がない。唯一やったのは、コールオブデューティー3だったかな。2だったかな。もう忘れた。


 アパートに篭って、白昼夢のような妄想を繰り返している。


 俺がベランダで気怠くタバコを吸っていると、白い翼を生やした可愛い天使が俺の隣に降りてきて「前からずっとUnknownさんの事が大好きでした。わたしと付き合ってください。付き合ってくれなかったらここから飛び降りて死にます」と言ってきたので、俺は「わかった。付き合おう。とりあえずメシでも食いに行かないか?」と言って、天使とメシを食いに行った。だが、俺は普段良いレストランなんて普段全く行かない。深夜に1人で牛丼屋に行ったりマクドナルドに行く程度だ。だが今は女の子を連れているので、俺は車を運転して、それなりのレストランに連れて行った。もしファミレスとかに連れて行ったら幻滅されてしまうかもしれないと思ったからだ。


 まあ実際、女の子とのデートでメシをどうするかは悩み所だと思うが、俺は金が無いから張れる見栄も持ち合わせていなかった。彼女とよくファミレスに行った。彼女は俺が貧乏であることを全く気にしなかった。


 でも彼女からしたら、やっぱり彼氏が貧乏って嬉しくはないよな。


 俺の専門中退という学歴や能力や空白期間の長さでも採用してもらえる職場といったら、だいぶ職種も限られてくる。


 去年の暮れ、俺は鉄工所みたいな工場で溶接の仕事をしていた。給料はそれほど高くない。手取りで16万くらいだったかな。


 それに加えて精神障害の年金も月に換算して65000円くらいもらってたので、給料と合算すると23万前後は月に貰ってた。


 ぶっちゃけ俺からしたら23万も月に貰えたら、多すぎだと思うくらい多い。


 19歳から1年3ヶ月勤めてた高所作業車の操作盤を作る会社では手取り12万5000円とかだった。鬼のように手取りが安かったのだが、残業も鬼のように多かったから、残業代をプラスして月の手取りが15万とかだったかな。


 まあ正直、結婚して妻子を養うとかじゃなかったら、仕事なんてバイトでも良いんだよな。ひとり暮らしで安いアパートで暮らしていける程度の金なら、田舎のフリーターでも充分稼げる。


 でもたった1人で生きていく人生は少し侘しい。


 俺は天涯孤独に生きる決意を決めたつもりでいたが、実際はまた彼女が欲しかったりする。


 でも年齢はどんどん重なっていって、彼女は作りづらくなる。


 彼女っていうか、理解者が欲しいんだ俺は。


 今この文を読んでくれてる人は、俺にとって良き理解者で、とても感謝してるし俺が生きるモチベーションにもなっている。日本のどこかであなたが生きていて、俺も生きている。


 今日は書けなかったが、今スマホやパソコンの画面でこの文を読んでくれてる人を楽しませたり心を動かすエッセイなり小説なり描きたいと思ってはいる。


 でも俺の精神状態もなかなか安定しなくて、そういう文が書けない時もある。


 そして俺が文を書くのは日記的な意味もある。


 俺は今この文をスマホのメモ帳に書いている。いつも文はメモ帳に書いて、書き終えたらカクヨムを開いてメモからコピペして投稿している。


 ◆


 俺はイヤホンの超ヘビーユーザーで、365日イヤホンをしている。風呂に入る時以外はずっとイヤホンをしている。寝る時もイヤホンをしている。


 そんなイヤホン依存症の俺は、必ずカナル型イヤホンを使う。密閉性に優れていてフィット感が強いイヤホンだ。


 昔は30000円くらいする高級イヤホンも使ってたけど、今は4000円くらいのオーディオテクニカのイヤホンを使ってる。ちなみに有線じゃなくて無線イヤホンです。


 iPhoneのSE2はイヤホンジャックが無いから、Bluetoothのイヤホンしか使えない。


 イヤホンは今の時代やっぱり無線だな。


 有線も充電しなくて良いっていうメリットがあるが。


 なんか今日はどうでもいいことしか書けない日だな。


 酒のつまみにじゃがりこを食った。俺はスナック菓子の中でじゃがりこが1番好きだ。


 だからなんだ。


 やすいアパートで、男女の猿がやる。


 それが俺の全てだと言わんばかりに腰を振る。


 村上龍の「限りなく透明に近いブルー」という小説を読んで、登場人物に憧れた高校時代。ドラッグ、セックス、ロックンロール。たばこ。


 全てどうだってよくなってしまった。


 死にたいと彼女が言う。


 女は既にぶっ壊れている。部屋に転がる酒の空き瓶と市販薬の空き瓶、果物ナイフ。ゴミだと勘違いして精神薬は袋ごと捨ててしまったらしい。あなたは死にたいと言うが、腹が減ったらいつもごはんを食べる。命は自我に関連しないからだ。


 あなたと俺はもう関係がないが、あなたがなんだかんだ今も生きてる事を嬉しく思う。


 無理しないで生きてくれ。


 朝の光が部屋に差し込んだ。俺は「プイプイモルカー ギターで弾いてみた」って動画を爆音で聴いて元気を出している。超かっこいい。


 俺は軽々しく死にたいと言えなくなった。


 何故なら俺には先月結婚したばかりの嫁がいるからだ。そして嫁のお腹の中には新しい命が宿っている。


 だから俺はもう「死にたい」なんて言ってる場合じゃねえんだ。


 イマジナリー嫁とイマジナリー赤ちゃんがいる。


 だから俺はイマジナリー家族を守る為に生きなきゃ。戦わなきゃ。






 おわり

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心の棘 Unknown @unknown_saigo

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