ワンランク上の日常を目指して

くさぶえ 舞子

第1話 ワンランク上を目指したちょっとした小物

夫が休みだったので、少し遠い、普段行かないショッピングセンターへ行った。

お目当ては2Fの本屋さんだった。そこは、絵本コーナーが充実していて息子Rくんも知育パズルコーナーで夢中になって遊んでいた。


買った絵本は国旗の種類が地図と一緒に載っているものだった。私自身、世界に196種類も国旗があることを初めて知った。


1Fへ降りて駐車場へ向かう途中で、花のいい香りがした。その花の香りに誘われてフラフラと自然に花屋さんに入った。その花屋さんは新鮮な花を扱っていることがすぐにわかったので、柄にもなく足を止めた。すると、下の段にヒヤシンスが並べられていた。

「懐かしいなぁ~」

と、思わず呟いた。

「私、昔、育てよったんよ。観察日記を書きよったとよ。」

と、続けた。すると、夫が

「俺も育てよったけんわかる。」

と、返してきた。

私はヒヤシンスが欲しくなった。水で育てるタイプと、土で育てるタイプがあった。水で育てるタイプの方が楽そうだったのでそれを見ていた。ガラスのコップに球根からスッと葉と茎が伸びて花が咲いている。全長は20センチくらい。値段は、660円。水で育てるタイプは四つ置いてあった。

「Rくんの情操教育のために球根から育てる?」

と、夫が言った。

私は今、この場所でいい香りがしているはなが欲しかった。ので、

「球根からじゃ遅いなぁ~」

と、四つの水で育てるタイプの方を見て一つ薄いピンク色のヒヤシンスを指さして

「これ、買って!」

と自然に夫におねだりをした。

「はいはい。」

と、財布を出して支払ってくれた。

お店のひとが茶紙で覆って、

「袋入りますか?」

と、聞かれたので

「はい、お願いいたします。」

と、答えた。ビニールを半分にして入れてくれた。

帰りの車の中が花の香りでいい気分になった。

家に着いたら、出るとき消した後の灯油ストーブの匂いがかすかにした。夫は玄関に花を飾るものかと思っていたみたいだけど、私は少し水を足してリビングの流し台の前に置いた。

何となく今まで、茶碗を洗っているときが楽しくなればいいな~と思っていたのでそこに置いた。

しかし、3歳児、Rくんがいつ、ひっくり返してしまわないか気が気ではない。ここは、しっかり乱暴に扱ってはいけないものであることを教えておかなくては……!Rくんの届かない玄関行きになってしまう!

さっそく

「このお花はいい匂いがするね~だから、乱暴に扱っちゃダメだよ~」

と、言うと

「くたい!(くさい)」

と、一言いうと走って行ってしまった。

「くさくないよ~いい匂いだよ~」

と、夫もフォローしてくれましたがあまり興味を持ってくれなかった。

情操教育はまだ、早すぎたみたい。

それにしても、花の香りが香ってくると、気分がよくなる。生花のもつエネルギーがその場をよくしているみたいだ。


皆さんも花を飾ってみませんか?

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ワンランク上の日常を目指して くさぶえ 舞子 @naru3hakuji

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