中学三年生のバレンタインの日だった。

 手作りのチョコレートを持って校舎裏に僕を呼び出した幼馴染は、僕に告白をした。


 それは紛れもない「変化」だった。


 その日から、僕たちの心地よい関係は少しずつ変化し始める。交際こそしてみたものの、それは半年も続かなかった。

 ただの幼馴染時代に感じていた高揚は、甘いチョコレートとともに溶けてなくなってしまったのだ。


 結局、僕たちは違う高校へと進学し、心地よい関係は終わりを告げた。

 その日から、僕は勇気を出して「変化」を望むことが、大嫌いになったのだった。

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