気が強い幼馴染。
「あんた、もしかしてだけど、尊? 違うよね?」
「お前は誰だ。なんか俺に用でもあんのか?」
「もしかして、私のこと覚えてないの?」
――――覚えていないわけがない。今、目の前にいる女子高生は、間違いなく小学生のときにいじめられていた御手洗華。華さんだ。
肩まで伸ばしたきれいな黒髪は緩やかにウェーブがかかっていて、柔らかな印象を持つ。顔のパーツの中でも特に目立つ赤い瞳は、まるで吸い込まれてしまいそうな美しさがあって、俺は少し見惚れてしまう。
美少女になってこそいるが、この姿は7年ほど前の華さんそのものだ。
華さんのその目には、俺はどのように写っているのだろうか。
俺は華さんに、忘れられていたらどうしよう。変なやつになったなと思われてしまっていたらどうしよう。そう思い咄嗟に、『お前は誰だ』なんて言ってしまった。
――――数刻前
午前中に教材配布や、今日やることが全て終わり、クラスの人々がぞろぞろと帰っていき、華さんのことは後で考えて、今はとりあえず帰ろう。と、帰る準備をし始めたとき。ぐいっ。とふいに誰かに腕を引っ張られて1年教室の隣の教室に連れてこられた。
腕を引っ張って来た相手こそが、華さんである。力強くない? 華さんはきっと俺が霜月尊であると気づいてくれたのであろう。しかし、俺は華さんに気づいていないふりをしてしまった。
「覚えてないもなにも……お前の、ことなんか、し、らねぇし。」
言葉が吃った……
「私にはわかるわよ。 あんた、気づいてるでしょ。」
「はい……」
やっぱり華さんには敵わないや。
「何なのよ……久しぶりね。」
「久しぶり。華さん。」
俺は7年ぶりに、少し美人になって、少し気が強くなった華さんと再開したのである。
幼馴染の金髪ヤンキーと黒髪JKが恋愛相談所を立てる話 馴鹿谷々 @NajikaYaya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。幼馴染の金髪ヤンキーと黒髪JKが恋愛相談所を立てる話の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます