裏側


さっきの闘い見てたけど説明しろってねぇ~、こっちも何がなんだか理解できていないのよ……



──────────────────────────────────────



「あーらら、空くん来たばっかりなのにここで終わりか~、残念☆」

牛鬼に喰われる直前。誰もがここで終わると思った瞬間、予想もしないことが起きる。


急に雷光が走る。

すると先程まで白虎だった彼の姿が、天狐てんこになっていた。


「ちょっと、ちょっと。もしかして妖怪、二匹持ち?そんなの聞いてないよぉ」

普通は妖怪になれるのは一人につき、一匹。

白虎である彼は白虎にしかなれないのに。どうしてか妖狐ようこの中でも最上位にあたる天狐の姿になっていたのだ。


今までそういった事例はない。初めてのことだ。



しかも牛鬼は雷光の光と天狐の姿にひるみ、自分から自害した。

なんとも哀れ。



彼も天狐の姿から白虎の姿に戻り、倒れ込む。


──────────────────────────────────────


「とにかくまぁ、空くんが勝ったということでほら!妖怪ポイント、わお!いきなり百ポイントだって☆」

空中になにやら数字が浮き出て、その数字が僕の体の中に吸収される。


「妖怪ポイントって何?」

「ん~、いわゆるこの世界で使える通貨みたいなものかな~☆これで色々武器とかスキルアップできるようなものを購入できたり、珍しい食材もゲットできるのよぉ☆」

「へぇ、武器なんて買えるだ……」

「ほら。空くんみたいな能力なーんもない弱い妖怪には持ってこいの代物ってこと☆」

「……誰が、弱いのさ。強い相手に勝ったじゃん」

「……まぁ、そうだけどねぇ~」

「とにかくお腹空いた。こっちの世界ご飯豪華なんでしょ?お店、連れて行ってよ」

「何、食べたい~?私、今回の活躍で奢っちゃうよ~☆」

「肉なら何でも!とにかくお腹がかなり空いた」

「初めてのことだから色々消耗したんだねぇ、良し!いっぱい奮発しちゃうよ☆」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る