第16話 青春Ⅱ
静岡の彼と別れて心にぽっかり穴があいていた私は
毎日を友達といることで埋めようとしていた。
そんな時に地元で同じ中学だったタメの男とばったり会った。
人見知りをしない「たけ」は久しぶりと私に話しかけてくれた。
そして連絡先を交換したまに会って話すくらいの仲になった。
たけもまた中学時代に特定の友達はいなかった。
一人だけなんだか大人びている印象だった。
あんだけ嫌だったはずの中学の同級生と仲良くなるとは思わなかった。
そんな高1の冬
同じ高校の友達に寮(児童養護施設)に住んでいる子がいた。
寮での規則は厳しいらしく携帯もダメ。髪の毛も明るく染めてはだめなど
細かい決まりがあるみたいだった。
おこずかいも少ないし、もちろん門限もある。
仲が良かったのでよく遊んでいたけどお互いにお金がない。
動いたのは友達の方だった。
伝言ダイヤルにメッセージを残し一緒にカラオケやボーリングに行って
おこずかいをくれる人で募集し実際に会ったと報告してきた。
私は伝言を入れ来たメッセージを聞くだけで実際に行動はしてこなかったから
友達のことを行動派ですごいなんて思っていた。
友達曰く、一人で会うのは危ないから誰かと一緒じゃないとだめだと思うととの事だった。
そして一緒にやろうよと誘われた。
もちろん返事はいいよだった。
バイトをしても2.3日でバックレていた私は常にお金がなかった。
親からお金を抜いても毎日友達と遊んでいればすぐになくなる。
友達が1回会った事のある30代の男性を一緒にカラオケに行くこととなった。
私たちは偽名まで準備をした。
そしてカラオケ2時間。その男性がいないものと考え
ただ友達と遊んでいるだけのように楽しんだ。
カラオケが終わり私たちは5千円ずつもらった。
体を売ればもっとお金はもらえるだろう。
高校生の私たちは体を売るまでの勇気はなかったんだと思う。
カラオケやボーリングをして5~8千円をもらう。
これを繰り返した。
知らない人と会ってお金をもらうことに抵抗がなくなるのは早かった。
危ない目に合わなかったのは運がよかっただけなのかもしれないけれど。
数回会うとそろそろ体の関係をと言う人もいた。
体だけは売らないと決めていた。
下着やルーズソックスを欲しがる人たちがいたからそれならいいかと
100均でパンツを買い自分の下着の上から買ったパンツをはいて
あたかもずっと履いていたようにして渡した。
100円が1万円になる。
ルーズソックスは穴があいてもうはけないものを売って
新しいルーズソックスを買った。
頻繁にはしてなかった。
ごくたまにバイトしようかとやっていたくらい。
友達と一緒だったから楽しいとさえ感じてた。
友達は稼いだお金で寮に内緒でプリペイドの携帯を買った。
最初は遊ぶだけでお金をもらえてたけど
そのうち遊ぶだけでお金をくれる人が見つからなくなってきた。
2人で行きますっていうのも嫌がる人がたくさんいた。
理由はなんとなくわかる。
そんな中、友達は携帯が寮にばれ没収され
このバイトも一旦終了となった。
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