第8話 幼少期Ⅶ

 

そんな中、5年生の夏休み前に引っ越すことが決まった。

今度はいやがらせもなく、明るい子で友達をたくさん作ろうと心にきめた。

そして2学期から新しい学校生活が始まった。

いきなり性格を変えることはやはりできなかったけど

友達もでき毎日が楽しかった。


でも家庭環境は変わらない。

男は引っ越しをしてから働かくなった。

一日家にいてゲームをしている。

家に帰ると家中がたばこくさかった。

私はできるだけ友達と外で遊ぶようにしていた。

母は一人で働いて家計をやりくりしていた。

そこまでしてそんな男と一緒にいたいんだろうか。


この頃から私の中で今まで溜まっていた闇みたいなものが

出始めた。

親と喧嘩すると一人で出かけて夜9時過ぎまで街中で時間を過ごしたりもした。

きっと子供らしくできてこなかったこと、

必要がない子だと思っていたこと

親からの愛情に飢えていたんだと思う。


ある時、めずらしく母が仕事のお休みで

学校から帰る時間に家にいてくれる日があった。

私はうれしくて急いで家に帰った。

でも母はいなかった。

それどころか家にいるからと家の鍵を持っていなかったから

外で待つしかなかった。


何時間待っただろう。

母が男と帰ってきた。

めずらしく化粧をしお洒落をしていた。


あぁ、やっぱりこの人は女でいることを望んでるんだと思ったら

どうでもよくなって家に入りたくないと母に行った。


「じゃあ好きにしなさい」


そう言われ私は思わず


私のことなんでどうでもいいんだね、男とデートして。

私なんていなければよかったね


母に言った。

母は怒って何かを言ってきたけどその後、私を抱きしめた。

母のぬくもりを感じた時

私は欲しかったのはこれだったんだと感じた。

妹ができてから抱きしめられた思い出がない。

淋しかったんだと気づかされた。



男が働くなってだいぶたった。

たまに母と男は喧嘩をしている。


そして年が明けた頃、母からこんなことを言われた。

男を家から追い出そうと思ってる。

いいかな?

それから会ってほしい人がいる。


私は男を追い出すのは賛成だった。

だからいいよと答えた。


2月、男が家を出ていた。

そこから1週間後くらい立った日

かなの誕生日ににディズニーランドに行こうか。

会わせたい人もくるからと

自分の誕生日に会うことになった。


これが事実上の私の今の父になった。



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