第6話 野崎進也様

 お手紙ありがとうございます。

 

 野崎さんは言葉が話せるそうですね。


 私が人間ではないと思うのは、意思疎通のできない重度障害者です。私はそれを『心失者』と呼んでいます。


 彼らには毎年、国から膨大な税金が遣われています。介護する家族や施設職員の心を追い込んで疲弊させ、訳のわからない呻き声のようなものをあげ涎を垂らし、自分の名前も言えなければYESかNOすらも答えられない。もはや獣です。到底人間とは思えません。


 彼らがいなくなれば日本はもっと良くなるでしょう。


 野崎さんが私と話したいと言ってくださったこと、光栄に思います。


 面会の希望、受け入れさせていただきます。


 お会いできるのを楽しみにしています。


                 梶原充

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