第5話 梶原充様
初めまして。
私には脳性麻痺があり車椅子での生活で、家族やヘルパーさんの手助けで日常生活を送っています。この手紙も家族に代筆してもらいました。
麻痺があり話しにくいですが、意思疎通はできます。
今回手紙を送ったのは、君と直接話したいと思ったからです。君は『意思疎通ができない重度障害者には心がない』と言いましたが、私はそうは思いません。私も重度の障害者ですが、ちゃんと感情を持って生きています。今も、どうしたら君に私や仲間たちの声が届くかと考えています。
私たちにも感情があり心があります。障害のためにそれを表現することが健常者よりも困難なだけなのです。それを心がないと決めつけることが、どうしてできましょうか。
殺された方を思うと無念でなりません。なぜ彼らは重い障害があるというだけで、命を奪われなければならなかったのでしょうか?
君はなぜ、彼らをあんな無惨なやり方で殺すことができたんですか?
良心の呵責や心の痛みは全くなかったのか?
君は収監され死刑が決まった今でも、重度障害者は死んでいいと思っていますか?
お返事待っています。
野崎進也
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