第20話 (´・ω・`)
「そもそも、なんのために鍛えたというんだい?」
「美術品のような均整を取れた裸を目指しているからです。美であれば全裸でもセーフ。全裸を鑑賞するためにみな美術館へ行くのですから、違うとは言わせませんよ」
「いや違うだろ」
何がセーフだ。
どうにかして全裸になることしか考えてねえ。
「いいや違わないよ。それ自体は正しい。本質的に人間は均整の取れた裸を美と感じるようにできている。優秀な遺伝子を持っているということだからね。それをわいせつと捉えるのは、一部の宗教の価値観に過ぎない」
「話が合いますね」
非常識同士で通じ合ってしまった。
水と油なのか仲いいのかどっちなんだよ。
どっちも法というレイヤーをどかしたその下の話しかしてねえ。
違法だよ?
「まぁ、それはそれとして助手を渡すことは出来ないな!」
いや、結局そこに落ち着くんかい!!
「これは、柳谷くんの意志で決めることでしょう」
それはそう。
「同じことだよ! キミは色欲の権化となって、古田門那珂の裸が見たいがためにその尻を追いかけていくような非科学的助手ではないだろうね!!」
男子高校生の逃げ道を的確に塞いでくるなコイツ!!
エロいと思われるのだけは、防がなくてはならないのだ!!
「も、もちろん断る」
「信じていたよ科学の徒!!」
「しょぼーん」
委員長、口で言ってる……。
そして、あの顔文字みたいな顔してる……。
「えー、タダで裸が見れるんですよ?」
そしてしつこい。
わざとらしく布団の裾をチラチラさせてくるし。
心が揺れるから勘弁してくれ。
「それはそうと、お二人は二人きりで来たのですよね?」
「もちろんそうだよ」
「いや待て。三色団子。そういう質問が出るってことは」
「出るってことは、なんだい?」
コイツ、ホラー映画とか詳しくないんだっけか。
全然ピンと来てやがらねえ!
「後ろに人がいますが」
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