第15話 変態の正体見たり枯れ尾花
「いいえ、違います」
委員長・古田門那珂が滅茶苦茶変顔したが、時すでに遅し。
というかその程度の変顔では誤魔化せるはずもない。
変顔する暇があったらいろいろ隠してほしい。
5Qも担ぐ気力すら失せ、下にそっと置いた。
「古田門那珂じゃないか。全裸で奇声を発して何をしているんだい? 早く服を着なよ。青少年には目の毒だ」
マジレスは容赦がなさすぎる……。
「なるほど、見抜いていましたか……」
観念したように変顔をやめ、どこからか取り出したメガネをかける委員長。
顔立ちの整った、ありていに言ってド美人だけに、この状況とのギャップがすごい。
いい意味でのギャップではないけども。
長い黒髪で巧みに体を隠しているが、それよりさっさと着て欲しい。
クラスメートの全裸かと思うと、ちょっとその、困る。
「そんなに目のやり場に困りますか?」
「なんでそんな確認の必要が!? 早く着ろよ!?」
「本当はもっと見たいのでは?」
「どういう感情なんだよ!?」
もう、委員長の全部が怖いよ!
「えい!」
見かねた霊子が布団をむりやり被せる。
少なくとも、これで露出しているのは足くらいだ。
それはどこか、警察に連行される容疑者の姿を想起させた。
いやまぁ、公然わいせつの現行犯なんだが。
「全く、何をしていたんだい」
意外にも、霊子の口調は厳しい。
こんな常識を明後日方向に室伏ばりの回転とパワーで放り投げたような奴でも、流石に同意は出来ないか。
「それはこちらのセリフでもありますが」
「ボクたちは幽霊を捕まえにきたのさ」
「幽霊を捕まえる? そんな非科学的な」
「科学的だよ。存在しているのならば捕まえられる道理だ。それでキミは全裸で何を?」
「……幽霊退治です」
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