第35話 始まりを告げるチャイム

作者の聖羅です。35話目をお読みくださりありがとうございます。

近況ノートにも記載しました通り、前日より予約していたこの話の投稿後、少しお休みをいただこうと思います。

何卒ご理解いただければと思います。

私と、私の作品を今後とも宜しくお願いします。




結果的に、課題はしっかりと終わらせることが出来た。そして問題なく提出できた。

課題の提出を終えて、4時間目が終わると俺は強烈な眠気に襲われた。


「ふわぁ…眠いな。本当は食事とってからの方が良いんだろうけど、そんな気分じゃないんだよなぁ…」


日頃の疲れもあってか、俺は学校で熟睡してしまった。

そして数分後…誰かに肩を叩かれて目を覚ました。


「おはよう和真君‼疲れてるみたいだけどどうかしたの?」

「ん…あぁ美奈か。びっくりした〜」

「ごめんね‼でも心配になってさ‼」

「ありがとう。まぁ大丈夫だよ。」

「それなら良かった〜そういえば、2時間目3時間目と何か頑張ってたみたいだけど何をしてたの?」

「あぁ…課題が終わってなくてね。そのせいで授業中にやるしかなかったんだよね…」

「そうなんだ〜ちゃんと課題はやらないと駄目だよ?」

「ははそうだね。ちゃんとやるよ。」


俺は彼女にそう答えて、再び眠ろうとしたがそれを彼女は許してくれなかった。


「ちょっと‼寝たら駄目でしょ‼もう昼休み半分過ぎちゃったんだよ‼これ以上寝ちゃったら授業にも弊害が出るよ‼」

「いやぁ…今寝ておかないと、授業で寝ちゃうからさ。今のうちにちゃんと寝ておかないと…」

「うん…まぁ確かにそうかも知れないけど‼駄目なものは駄目でしょ‼」

「確かに授業中に寝るのは駄目かも知れないけど…別に昼休みは良くないか?昼休みは簡単に言えば自由時間みたいなもんだし。」

「たとえ自由時間だとしても、学校で寝ていい理由にはならないでしょ?ね?」

「いや…うん。分かった。分かったから、教科書の角で頭を叩くのはやめて?」

「言うこと聞かないからだよ‼ふんっ‼」


彼女はどうやら意地でも俺に起きていてほしいみたいだ。

何が彼女をそうさせるのかは分からない。だけど下手に寝たらまた彼女に叩き起こされることになるだろう。


気持ちよく睡眠している最中に妨害されるのは俺にとっては一番ストレスになる。

それは関係が深くなり、友人以上の関係になったりしてもだ。


「はぁ…俺が授業中に寝たら責任取って庇ってくれよ。そうじゃなきゃ寝るぞ。」

「わかったから‼私が責任取ってあげるから今は起きてて‼私と話しをしようよ‼」

「分かった分かった…それで一体どんな話をするんだ?いつもラインで話をしてるし…特に話しをするようなことはないと思うのだけど。」

「ラインで話すのと、直接あって話をするのとは違うでしょ‼もうっ…」


ラインで話すのと変わらないと思うのだが…というか、ほとんど毎日話しているのにそれ以上話をするのだろうか…そんなに話しのネタがないのだが…


「話をするのは良いんだけど…何の話しをするの?」

「沢山話したいことがあるんだよ。私ね、一つ気になっていた事があるの。」

「気になっていること?一体どういう事?」

「えっとね…ちょっと勉強教えて欲しいところがあるんだけど良いかな?」

「勿論大丈夫だよ。ただね…今はちょっと遠慮するね。でも、明日なら大丈夫だからよろしくね。」


俺が今日教えられない理由…それは帰ってから家族で食事に行くからだ。

帰宅してからすぐに行くことと、外食が終わってからはゆっくりしたいので勉強の事を考えたくはないのだ。


勿論、課題があればやっていたけど…直近で提出するものはもうない。

だからゆっくりできるのだ。こういうときに彼女のことを優先するべきだとかいう人がいるかも知れないけど、その場合はその場合でしょうがない。


というか人のことよりもまずは自分のことだろう。

自分のことをちゃんと管理できていない人間が、他人と良好な関係を築き続けることが出来るとは到底思えない。というか少なくとも俺はそう思っていない。


「そっか…残念だけど、しょうがないね‼人それぞれにやることはあるもんね‼」

「まぁね。でもちゃんと答えるから安心して。お互いにわからない所は補っていけば良いんだからさ。あっそうだ。一応写真を撮って送ってくれない?送ってくれればいつでも見れるから返信のタイミングもこっちで調整しやすいし。」

「分かった‼それじゃあ今日中には送っておくね‼なるべく早く返信してくれると嬉しいなぁ〜」

「分かってるって。ちゃんと返信するよ。それとも俺が返信しないとでも思ってる?」

「そんなことはないよ。ただ心配にはなるかなってだけ。わからない所は教えてもらわないと無理だし…勿論自分で解決しようと努力はしてるからね?」


彼女はそう言った後、自席に戻っていった。

数分後…5時間目を告げるチャイムが鳴り、俺は再び勉強へと意識を戻すことになった。











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