第34話 いずれ必ず…
彼女が俺に話しかけてくることはない。
彼女は今他の人と話をしているため、俺と話をすることはないのだろう。
…彼女たちが話している内容が気になるものの、今の俺にそんなことを気にしている暇はない。課題を終わらしきれていないことに今気づいたからだ。
「あぁ…しくったな。もっと早く気づくべきだった。そうすれば楽しく過ごせてたのに…」
さっきまでとはうってかわって暗い雰囲気に包まれてしまったが、しょうがない。切り替えていこう。とはいえ…事前にそこそこ進めてあるし、特に問題ではない。
ちゃんと終わらせて提出さえすれば、先生も何も言ってこないからな。
まずは終わらせなければ…
俺は必死になって解いた。
この課題の提出は4時間目…そして今は1時間目の休み時間がちょうど終わったくらいだ。
そして次の授業である物理…ここの先生は優しいので、寝ていたり他の科目の勉強をしていたって何も言ってこない。
ただこの先生のテストにだけは気をつけないといけない。
この先生のテストでもし30点以下の成績を取ってしまったら…赤点だ。
この先生は小テストの結果や、普段の生活態度を考慮しない。
テストの成績だけで、決める人なのだ。
そしてそんな先生だが、生徒からの人望はあつい。
それは彼の授業がとてもおもしろい点からくる。加えて寛容なのもそれに拍車をかけているだろう。
テストの成績にだけ注意していれば問題ないこの先生は、あたりだ。
そして俺も前年度、色々とお世話になった先生でもある。
わからない所はきちんと教えてくれるし、注意点も教えてくれる。
そして極稀にテストに出やすい所と称して、テストの内容を教えてくれる。
「ふぅ…2時間目は問題ないとして、三時間目だな。先生的に内職は厳しそうだし、ちゃんとしてないと内申がとんじゃうからなぁ…はぁ面倒くさ。」
三時間目は言語文化…いわゆる古典だ。
こんなことを学んで、将来何になるんだと考えたことも多々あるし今もそう思っている。
だがこれも点数を取らなければ留年になってしまう…
ちゃんとしなければいけないと分かってはいる。
分かってはいるのだが…そううまくはいかない。
古典を担任する先生は、決していい先生とはいえない。
当たり前の事かもしれないが、授業中に他の教科をやっていれば怒られる。宿題だって事前にやって置かなければ怒られてしまう。
とまぁ問題だらけだが悩んでいてもしょうがない。
今は課題に追われてひたすらに勉強するしかないのだ。
そうして時間は過ぎていった。
2時間目が始まり、先生が入室してきた。
挨拶が終わり次第すぐに課題へと取り組んだ。先生の目を盗みながら進めたわけではないため、大きく進めることが出来た。
次の授業でも同じくらいの時間を取ることができれば、問題なく終わらせることが出来るだろう。
そして三時間目…先生はいつも以上に早くやってきた。
なんでも配りたいものがあるそうだ。
俺は少し動揺しながらもすぐに自分のやるべきことを始めた。
幸いにも配られるものの量は多いようで、俺はゆっくりと勉強をすることが出来た。
結果…ほとんど終わらすことが出来た。
天が味方してくれたかのようなタイミングに俺は感謝した。そして俺は怒られないためにも、すぐに自分の机の下に隠した。
「危なかったぁ…もう少し気づくのに遅れていたら、提出できないところだった。そんな事になったら、内申はガタ落ち…それだけは阻止しないと。」
確かに今、俺は様々なことに追われている。
彼女の件についてだって対応に追われているし、疲れてもいる。
次のテストに向けて勉強だってしないといけないし、日々の生活で抱えるストレスにだって対応しなくちゃいけない。
他人のことよりも、まずは自分自身のことを解決しなければいけない。
これはしっかりと頭の中で考えておかなければ行けないだろう。
自分自身の事がちゃんとできていないのに、他人のことを考えてる暇はない。
彼女との関係についてだって、今も問題を抱えている。
その問題を解決するために、俺は今必死になって様々なことに挑戦している。
彼女との関係だって、今後どうなるかなんて分からない。
確実に言えることは…俺自身が彼女との別れを望む限り、いずれ彼女とは別れることになるということだけだ。
作者の聖羅です!!
34話目をお読みくださりありがとうございます!!
次の投稿は明日の7:15となります。
小説のフォローや、⭐️での評価をしていただけると幸いです!!
ちょっと作るのに時間がかかっちゃいました…そのせいか途中途中、変になってるところがあると思います。どうかご容赦ください…
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