第33話 友人関係とは?
「はぁ…お前は一度気になるとなかなか引き下がってくれないからな。ここは教えちゃったほうが良いか。」
「だろ?俺は自他ともに認める面倒くさい男だ。さっさとゲロっちまったほうが楽になれるぞ?」
「警察の取り調べみたいに言うのやめろ。」
「ドラマの見すぎだろ。今どきこんな風にいう警察はいないって。っていうかそこ気にするか?」
「気にするわ‼まぁ良いわ…付き合ってる人を教えれば良いんだよな?」
「その通りさ‼代わりに俺も秘密を一つ打ち明けるよ。それでおあいこだろ?」
「果たしてそれはおあいこなのか…まぁ良いや。信用してるけど、他人に言いふらすような事はするなよ?」
「わ〜ってるって。安心しろ。」
俺は少しの不安を抱えながらも、彼の耳に話しかけた。
「俺が付き合ってるのは藤沢美奈だよ。お前も良く知ってる彼女さ。」
「うっそだろお前‼すげぇな‼お前から付き合ってほしいって言ったのか?」
「いや?逆だ。あっちから付き合ってくださいって話しかけられた。正直当時はびっくりしたよ。」
「おいおい…大丈夫なのか?俺は少し心配だぞ。今までほとんど関わりが無かったんだろ?なのに急に話しかけてくるとか…怪しさ満点だぞ。というかいつから付き合ってんの?」
「あ〜付き合い始めてからは今日で2ヶ月経つな。後数日もしたら3ヶ月目になるよ。」
「へぇ〜いいじゃん。3ヶ月目か〜いいじゃん。」
「だろ?でもさ…本当に大丈夫か?俺心配になってきたぞ。」
「どうしてだ?」
「そりゃ心配になるだろ。いくらお互いにそこそこ知ってるからと言って、そういうわけには行かないでしょ。なんだか怪しい匂いがするぞ。」
彼はどうやら感がとてもいいようだ。
俺の僅かな動揺でさえ感じ取っているかのように、すぐ反応するのは少しどうかと思う。
なぜ簡単に分かるのか…俺には分からない。
「そんな事あるか?怪しいなんて事…もし本当だとして何だよ。」
「う〜ん…確証があるわけじゃないんだけどな?今まで関わりもなかった人に急に話しをするか?これはあくまで俺の感だし、下手なことを口出しできる立場じゃないんだが…」
「そっか…たしかにそうかもしれないけど、別に思ったことは口にしてくれて構わないよ。俺だってずかずかと踏み込むことあったし…」
「うし‼分かった。それじゃあキツイことを言わせてもらうぞ。ちょっと耳をかせ。」
彼は俺の耳に口を近づけて、小さめの声量で話しかけてきた。
「良いか?多分だけど、彼女はお前のことを騙してると思う。これは確証があっていってるわけじゃないし、別に信じなくても良い。ただそうかも知れないとだけ思っててくれ。頼んだ。唐突に傷つくお前は見たくないんだ。」
彼は優しい人だ。
たとえ俺からひどいことを言われようともこれは伝えようとしていたのかもしれない。
とはいえこの事はもう知っているんだよなぁ…というかそろそろ3ヶ月か。
これはそろそろ面白いことになってきそうだ。
たしか話を聞いた限りでは、3ヶ月が経った時点で俺と今後付き合うかを決めるという話しだったはずだ。
いや…たしか俺の事を振るという話しだったような気がする。
もし彼女がその方向で話を進めるのであれば…俺から切り出してしまおう。
そして…その場で追求してしまったほうが、彼女にとって辛く、そして後悔の念を抱くはずだ。
だけど…もし彼女が俺にそういった話を振ってこないのであれば、それでも良い。
というのも彼女が俺とその関係を続けたいと考えているのであれば、彼女の友達たちが何かと言い出すだろう。
そうして彼女が孤立したら…それはそれで面白い反応が帰ってきそうで楽しめそうだ。
「ふふっ…これから楽しくなりそうだ。それに面白くなりそうだな。」
「面白そうでなによりだ。色々と頑張ってくれ。さてと…俺はそろそろクラスに戻るとするよ。」
「おう。ちゃんと授業を受けるんだぞ。お前はサボり癖があるからな。俺よりも成績が良いのにそれじゃあ意味ないぞ。」
「分かってるって。大丈夫大丈夫。ちゃんと授業は受けるから。じゃあばいばい〜」
彼は前の方の扉から出ていった。
成績優秀なくせにサボり癖がある彼には少し苦労しているものの、それが嫌だと感じることはない。
彼とは今後も友達として関係を続けていきたいと思っている。
彼以外にも話をすることが出来る人はいるが、正直彼ほど話が合う人はいない。
作者の聖羅です!!
33話目をお読みくださりありがとうございます!!
次の投稿は明日の7:15となります。
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