第28話 我慢と長考
「ん?急にメールが来たと思ったけど…一体どんな内容だ?」
まるで俺が帰宅する時間を知っていたかのように、帰宅した直後の時間にメールが届いていたので俺は内心驚いていた。
「…あっ学校関連の話しか。なんだ〜びっくりした。」
彼女が俺に送ってきたメールの内容は、明日の学校についてだ。
明日は月曜日で、学校がある。
明日は小テストが多くあるため、そのことについての質問だと俺は想像した。
現在時刻は18時30分。これからお風呂にでも入ろうと思っていたが、別に風呂は後に回せる。送られてきたメールに返答せずにいるのは、余計な誤解を招くだろう。
余計な誤解を招けば、彼女との関係を悪化させる恐れがある。もっとも、嘘告なわけだが…そんな事は関係なしだろう。
ともかく…今俺がするべきことは、彼女から送られてきたメールの内容を確認して、適切な返答をすることだ。
彼女が送ってきたメールは以下の内容だ。
『明日の小テストの範囲の内、数学で分からないところがあるから教えてくれない?それと、テストとか勉強に関係はないんだけどまた今度遊びに行かない?』
俺はメールの内容を見て、『今日一緒に勉強したよね?』と思ってしまった。
勿論、一緒に勉強していたときに思いつかなかっただけという線もあるけど…先に相談してくれたほうが良かった。
というかどうして俺は真面目に相談に乗っているのだろうか?
確かに彼女は数学に強いとは言い難い。でも、ある程度の問題であれば解けるはずだ。
彼女の事は俺は嫌いなのに…それに、好きというわけでもない。
ただ目標達成を達成するために我慢しているだけだ。
でも…目標達成のために、わざわざ真摯に対応する必要はあるのだろうか?
真摯に対応しなくたって、特に問題はないんじゃないか?
俺は自問自答しながら、彼女へとメールを返した。
「…よし。こんなものでいいだろ。下手に文章量を多くするのは良くないだろうし…そう考えれば当然の判断だな。」
文章量を極力少なくすることはお互いにメリットが有ると、個人的には思っている。
文章量が少なければ伝えたいことがわかりやすい。それにくどくない。
文章を送る側からしても、操作が少なくて済む。
勿論、文章量が少なくなれば伝えたかったこととは違う意味で捉えられたりすることもあるため最新の注意が必要だが、その点についてもしっかり考慮すれば何も問題はない。
そして俺は彼女にメールを送った後、『返信はすぐに来るはずない。』と考えて、風呂に入った。俺は長風呂派なので、ゆっくりと時間を取って入浴することにした。
風呂場にスマホを持っていったりしない。万が一、湯船の中で落としたりしたら…スマホはお陀仏になってしまう。
そしてそんな事になったら…日常生活にも支障が出る。
普段から使っているものが使えなくなり、学校で必要になった時も使えない。
挙句の果てにはメッセージでやり取りをしたりする時にも、苦労することになる。
普通であれば連絡が来たら、よっぽどの事がない限りは反応できる。
だけどスマホを故障させてしまえば…勿論それも出来ない。
連絡が来ても無視することになり…関係を悪化させる原因にもなりかねない。
その点にはしっかりと注意出来るのであれば特に問題はない。
ただし、完全に自己責任となる。
俺はそんなリスクは負いたくないので、スマホを使う時間は区別することにしている。
スマホに依存するのは良くないと言われている。
まぁ現代においてスマホに依存するのは無理もないと思うのだけど…こればっかりはしょうがないのかもしれない。
湯船に浸かりながら、俺はゆっくりと長考していた。
これから自分がするべきこと。そしてこれからどんなことをしていくのか…それらを含め、頭の中を整理しながらゆっくりと時間を過ごした。
「ふぅ…やっぱり風呂は気持ちいいな。シャワーだけで入るのも良いけど、やっぱり時間をかけてちゃんと風呂に入るほうが良いよなぁ…」
俺は風呂から上がり、少しのふらつきを覚えつつも幸福感に満たされていた。
途中からは考えるのをやめてひたすらにボーっとしていた。
そして時計を見るとなんと二時間も経過していた。
時間的にはもう21:00をまわっているし…明日の学校の用意をしておこう。
明日の学校の用意を終えて、休憩をしているとメールが届いていることに気づいた。
作者の聖羅です!!
28話目をお読みくださりありがとうございます!!
次の投稿は明日の24:15となります。
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