第19話 美樹との話し合い
私は美樹を含めたあの場にいた全員に、遊びに行くついでに話をして起きたことがあると伝えた。
彼女たちはなんとなく私が言いたい内容を分かっているようだった。私は遊んでいる最中にこの話題を振ったりすることはしなかった。
空気が悪くなる可能性もあるため、話をするのであればお互いに帰る直前…それくらいのタイミングが良いはずだ。
ひとしきり遊び、テストが終わったことの喜びを噛み締めた後、私は話し始めた。
「ねぇ。皆はどう思ってるの?」
「ん?どう思ってるのって?」
「とぼけなくてもいよ。美樹。貴方は和真くんのことどう思ってるの?」
「そうだね…私としては『随分と印象が変わったな〜』って思ったかな。というか今でもそう思ってる。多分この気持ちは私以外も持ってると思うよ?」
美樹がそう話し始めると周囲の彼女たちも同意し始めた。
「そうね。私もそう思います。」
「う〜ん…杏もそう思うな。まぁ特に興味はないけど。」
「そりゃ杏はね〜でも、彼氏いない私からすると魅力的には見えるな〜」
彼女たちがどう思ってるのか…それくらいはちゃんと把握しておかないと‼
「杏ちゃんは別として…美樹達は本当にそれだけなの?」
「それだけって?」
「その…彼のこと」
「あ〜そういうことね。もしかしてだけどさ。美奈っち本当に彼のこと好きなの?」
私は急に核心を突くような質問をされたので、うつむいてしまった。
「やっぱりそうなんだ。というか反応的にもそうだとは思ってたけど。」
「…」
「まぁいいわ。それで?私達に話があるんでしょ?なんの話しをするの?」
私は、彼女たちの気が変わらない内に話を進めることにした。
「それじゃあ本題に入るわよ。最初の話しでは、私は3ヶ月彼と付き合うことになっているわよね?」
「そうね。彼と3ヶ月くらい付き合ってみて、その後振るっていう話になってるわね。」
「その事についてなんだけど…」
「あ〜もしかして、あんた本気で彼の事好きなの?さっきは冗談で言ったつもりなんだけど…」
私は少し赤面しながらも大きく頷いた。
「はぁ…あんたねぇ。確かに私達も『付き合っちゃえ』とは言ったけど、好きになる必要なんてないのよ。別に3ヶ月経てば終わりの関係じゃない。」
「…なんていうか。かっこよくて…それに遊びに行ったときとかも些細な所作っていうのかな?そういうのがとても良くて…」
「はいはい。わかりましたよ。で、あんたは結局どうしたいのさ?」
「私は…彼と関係を続けていきたい。だから、罰ゲームのこととかを話さないでほしいの。」
私が真剣な表情でそう言うと、彼女は少し笑って続けてこう話した。
「へぇ〜確かに罰ゲームの話しをされたら困るよね。彼からしたら、付き合ってほしいって話をしてきた彼女が嘘告だなんて信じたくもないだろうね。それにそんな事言われたら…彼はすごく辛いだろうね。」
「そうなの。だから…ね?」
「まぁ別に良いんだけどさ…私としても、彼の事は良いな〜って思ってるんだよね。だから…あんただけのものにはしたくないんだよね。」
「…」
「説明不足だったかな?正直、最初は興味なかったんだけどね…でもあんなにかっこよくなるなんて思わないじゃん?あんなかっこよくなられちゃったらさ…私も好きになっちゃうじゃん?」
私は『やっぱりか…』と思いながらも彼女に話し続けた。
「…美樹。」
「そんなに怖い顔をしないで。私は貴方と喧嘩をしたいわけでもないし、友好関係を絶ちたいわけでもないわ。」
「じゃあ…どうして?」
「心配しないでよ。さっきもいったけど、貴方と喧嘩をしたり友好関係を終わらせたい訳では無いの。ちゃんと私は貴方と話をしたいの。」
私と話しを…?
彼女は私と喧嘩をしたりしたくはないとのことだけど…
「ふぅ…それじゃあ話をするね?」
「うん。」
「私も正直な話、彼のことが好きなんだ。」
「…‼」
「まぁ…びっくりするよね?はぁ…あの時に私が嘘告するのを支持しなければな〜っていうか、私が彼の魅力に気づけてれば誰にも取られずに済んだのに…残念だな〜」
「美樹ちゃん…」
「私はね、強引に略奪したいわけじゃないの。だから…私と勝負しない?」
「えっ…勝負?」
私は彼女の話が理解できず、固まってしまった。
作者の聖羅です!!
19話目をお読みくださりありがとうございます!!
諸事情により、数日以内に1日の投稿数を2話から1話に変更させていただきます。
私の作品を楽しみにしている皆様には申し訳ありませんが、ご理解いただけると幸いです。
今後とも私の作品をお楽しみいただけると非常に嬉しいです。
週間ランキング2位を早くも達成することができ、本当に嬉しいです‼
これも全て皆様のおかげです‼長くなってしまってすみません。
次の投稿は明日の24:15となります。
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