第18話 他人よりも自分の事

テストまで1日を切った。

テスト勉強を始めると、意外と時間は早く過ぎ去ってしまった。

テスト期間中、何度か電話に誘われたけど正直出る余裕がなくて出れなかった。


そのたびに一応謝罪はしておいたけど…面倒くさいことにならないか心配だ。

テスト範囲は広く、適当に勉強しているだけでは確実に点数が落ちる。


まずは自分のことを第一で考えていかないと…

彼女のことや、他の事について考えるのはその次だ。


ここで前回の俺の成績を見てみよう。

俺の前回のテストの成績は、物理が一番高く次点で数学が高い。

ただし国語が比較的他の教科に比べれば低いのが難点だ。


今まで物理や数学に関しては高い順位と点数を保つことができていた。そして今回も物理と数学に関してはさほど心配していないものの、予想以上に国語が心配だ。


特に古文…『あんなものいつ使うんだ‼』と内心思いながら勉強をしていた。

他にも漢文やら現代文…俺にとっては難問だらけだ。


特に言語文化の科目は強敵だ。

俺にとっては難問ばかりが揃っている上に、大きく点数を落とす原因となるかもしれないからだ。


ただ、今回は前回と同じ結果にならないようちゃんと対策をとった。

言語文化の先生に話を聞きにいき、今までかけていた時間を今回は二倍に増やす調整を加えてみた。


そのお陰か、前回よりもはっきりと理解することができているような気がする。

だが、良い点を取れるという確証があるわけではない。


時間をかけたし、集中して問題を解くことができた。

後は自分のことを信じてテストに望むだけだ。



翌日…俺はテスト初日を迎えていた。

今日受ける科目は数学、歴史、公共、保健体育というなんともいえないラインナップだ。

 

数学は問題ないとして…歴史、公共は少し怪しい。

保健体育は…まぁ何も問題はない。

副教科も大事だけど、それよりも結局は五教科が大切だ。


1時間目…数学。しっかりと点を取ることができたと自信を持って言える。

2時間目、3時間目は歴史と公共。やはり勉強時間を多く取れなかったことが原因なのだろうか…数学に比べると点が落ちるような気がした。

4時間目は保健体育。これは気持ち的に楽にテストを受けることができた。


初日を終えて、ある程度緊張がほぐれた俺はゆっくりとしつつ勉強に集中することにした。


「ふぅ…初日は問題なく行けたな。ただ…嫌なのは二日目だな。」


二日目の教科的に、俺が苦手な教科が多い。

だから俺はちゃんと勉強しないといけないんだけど…勉強をするのはやっぱり辛い。

俺だって好きで勉強をしているわけじゃない。


この世界で好きで勉強をしている人がいるのか?と俺は内心思っているくらいだ。

勉強が好きでやってるやつも…もしかしたらいるかもしれない。


とはいえそんな人はごくごく少数で、俺みたいに勉強を苦手で嫌いだと思ってる人が多いはずだ。

勉強に気乗りしない人も多いと思う。でもやらなきゃいけないのだ。


「さて…二日目に向けて勉強しますか。」


十分な休憩を終えて俺は再びテスト勉強に集中した。

2日目のテストは…なかなかに良い結果を出すことができたんじゃないかと思う。


1日目の後、比較的集中することができたからか気楽にテストを受けることができた。

テスト自体も、特に特筆するような点はなかった。


ゆっくりと問題を解いても問題ないくらいだ。今回のテストでは点数が上がっている人が多いと思う。


3日目…今日も特に特筆する点はなかった。

2日目とあまり変わらず、しっかりと集中してテストに取り組んでいればすぐに時間が経ってしまった。


ついに4日目を迎える。

4日目には国語が待ち受けている。

俺は明日に向けてしっかりと勉強してきたことを思い出すことにした。


「ふぅ…テスト終わったな。」


俺は4日目のテストが終わり、一息ついていた。

疲労感から凄まじい眠気も感じたが、それも気にならないくらいの開放感があった。


俺はふと視線を感じ、振り返る。

視線を向けてきたのは…彼女、藤沢美奈だった。

なにか話したげな彼女は、帰りの会が始まる前に俺の机にやってきた。


「ねぇねぇ和真くん。」

「どうかしたの?」

「私、今日友達と一緒に遊びに行くんだ。だから今日は一緒に帰れないの。ごめんね?」

「大丈夫だよ。別に気にしてないから。」

「ありがと‼それじゃあ遊んでくるね‼」


おそらく彼女たちは、遊びに行くついでに何か話し合うんじゃないか?

それに今は皆、テストが終わったことによって気が楽になっている。普段よりも険悪にならないで話をすることが出来る…かもしれない。





作者の聖羅です!!

18話目をお読みくださりありがとうございます!!

諸事情により、数日以内に1日の投稿数を2話から1話に変更させていただきます。

私の作品を楽しみにしている皆様には申し訳ありませんが、ご理解いただけると幸いです。


今後とも私の作品をお楽しみいただけると非常に嬉しいです。

週間ランキング2位を早くも達成することができ、本当に嬉しいです‼

これも全て皆様のおかげです‼長くなってしまってすみません。


次の投稿は明日の24:15となります。

投稿遅くなりすみませんでした!!

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