第2話 コミュ障と神様

なんて返せばいいかわからない時は黙ってやり過ごしてきたんだけども、ついに会話すらできなくなった。そんな悲しい人間である僕は小さな古本屋にやってきた。


「すみません立ち読みはちょっと。。」


「…あば~!うへへ。ああのああへへすみませんね」


「あれ僕くん?僕君だね久しぶり」


「あ~...」


「卒業式以来じゃないか?」


「うへーぇおほおほ、そっそだね。。なんつってhg。。」


「へえー。。僕君もこんなの読むんだね」


ニヤニヤしながら指さす君のことは一ミリも知らないよ。。


「そうだ!店長〜この人友達なんで割引お願いしまーす。」


「あーいいよもうお金要らないから持って帰って、いつも助かってるから。あともう上がっていいよ」

店の奥から返事が聞こえた


「ありがとうございまーす。だって。へへへ。僕君には特別。それ袋入れてあげる。一緒に帰ろ」


「おっおっ。。っす。。。」


彼女は本を袋に入れてエプロンを脱ぎ捨て店を出た


「はいこれ。いこ。」


あかん店を出たらあかん。


「僕君は変わらないねえ。。。。」


「そそそすか。。あはahbg...」


沈黙の後彼女が重々しく口を開いた。


「ねえ、なんで真由美の葬式こなかったの?」


「。。。すっすみませnfh。。じ」

「ごめん気になっちゃって。なんでもない。行こう。

店長おつかれ様でーす!」


「あっt」


手を引かれ夕日に照らされる


外に出てしまった。。もう限界だよ。今なら間に合う。。間に合うから言わなきゃ。。


「。。っあの、じ実は」


「実は私宗教始めたんだ。私が神様。というかみんな神様なの、この後時間、ある?」


その瞬間ふっと心が軽くなり、夕日を後ろに受ける彼女がやけに神々しく見えた。

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