探求
あった、動物図鑑。
トナカイ...とは違う。
シカでもない。
こんなウシもいるのか。
だがどれもピンとこない。
一番近いのはやっぱり、ヘラジカ。
てかこの本ちょっと古めだ。
そうだ。この図書館にはインターネットが使える共有のパソコンがある。
ネットの方がほんの何倍も詳しいだろう。
“『ヘラジカ 似てる動物』検索“
あーーーだめだなーー。
いい情報は得られなかった。
一番近いのは‘ギガンテウスオオツノジカ‘だった。
全然有益じゃないんですけど~~。
絶滅してるし。
そもそもあんなデカいツノこさえてる四足動物なんて基本寒い地域の動物なんだ。
調べたって意味がない。
いや、調べることがそもそも違う。
あの動物園を調べればいい。
飼育してる動物が載ってるかもしれない。
結局話題性のある動物しか載っていなかった。
レッサーパンダとか、ハシビロコウとか。
昨日見たタスマニアデビル可愛かったんっだけどなーと思いつつ図書館を後にした。
お盆が近いせいか車通りがやけに多い。
遠回りをして帰ろう。
お昼は何を食べようか。
そんなことを考えていると...。
神社...。
この道の方にはそういえば神社があったんだ。
なんとなく鳥居をくぐる。
なんとなくなんかじゃない。
神社を見た瞬間思い出した。
ここの神は、...ヘラジカによく似ていたのだ。
まっすぐ歩き参拝をしてみる。
が、特に変わったことはない。
神主さんに話を聞いてみたいが見当たらない。
それならば。
は~すずし~。
図書館に戻ってきた。
一目散にあのコーナーに行く。
地元の文献。
ちなみに、脱線している気は全くない。
表紙がでかいからすぐにわかる。
前に僕が戻したまんまだった。
そりゃそうだ、誰もこんな本見ようとしない。
あのページを探す。
あった。やはり不気味だ。
だが、同時に、納得を得た。
僕は動物園で神をみたのかもしれない。
なんともいえない気持ち。
ゆっくり本を閉じ、元の場所に背中側をこちらに向けてしまう。
てかさあ、さっきから何?誰か僕のこと見てる?
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