聞き込み。

 さて、次は店内で食事を楽しんでいた4人の客に話を聞くとしよう。


 「私はこういうものでして」

 私は名刺を3人に渡す。

 

 Oさん「え、あ、はい。どうも」


 Sさん「探偵…」


 Kさん「え、すごいっすね。初めて見ました」

 

 「さっそくですが、事件直後について伺いたいのですが」

 3人に了承を得て、1人ずつ話を聞くこととなった。


 まずはOさんから、彼はここに来るのは初めてではなく何度か足を運んでいるそうだ。

 O「そうですね、普通にご飯を楽しんでいたのですが…突然叫び声がしてビックリしましたよ」


 「えぇ確かに突然でしたね、席はどこについていたのですか?」


 O「えぇっとここですね」

  そう言って指をさしたのは窓際の出口側の席だった。

 

 「なるほど、ほかになにか気になった点はありますか?」


 O「すこし、気にしすぎかもしれませんが…今日の食事は塩辛いくらいに塩が効いていたこと位で他に特には」

 

 「なるほど、ありがとうございました」


 そうお礼を言い、今度はSさんの話を聞き始める。彼は少し探偵について不審がる様な素振りを見せていて、ここに来るのは初めてだそうだ。


 「災難でしたね、急に事件に巻き込まれるなんて」

 そう会話を始めようとするのだが。


 S「兄貴がトイレに行ってるんだ、戻ってきてからでいいか?」

 

 「えぇ、わかりました。また後ほどお願いします」

 …私は全員で3人と勘違いをしていたようだ。

 

 「では、Kさんよろしくおねがいします」


 K「ハイっす」

 元気よく返事をした彼はここには最近良く通うようになったそうで、従業員の二人とも仲が良いようでいろんな話をするそうだ。


 「まず事件直後は?」


 K「注文を待ちながら、窓の外に鹿がいてそれをみてたんですよ。そしたらものすごい叫び声が聞こえて驚きすぎて持ってたコップの水をこぼしちゃったんすよねぇ」


「そうですか…よく通っているそうなのですが、今日変わったことは?」


 K「そういえば、今日人少ないっすね…」

 

 「いつもはこれより多いと?」


 K「外に並ぶまでは無いっすけど結構多いっすよ」


 「なるほど」

 なぜか今日人が少ないと…


 「ありがとうございました、ではまた後程」

 清掃員を探しに外へとでて、店の外周をぐるりと反時計回りに歩みを進める。

 店の裏口辺りに差し掛かった時にふと店の裏口の辺りに、ゴミ収集車が止まっていることに気づく。


 「こんにちは」そう声を掛けながら近づいていく。


 「こんにちは!」くぐもった様な声が聞こえた。


 「…何してるんです?」そう問いかけるのに値する場所に彼はいた。


 「シッ、見つかっちゃいますよ!」 彼の声が一番大きいのだが…


 「誰にですか?」


 「決まってるじゃないですか、殺人犯ですよ!」やや興奮気味に話している。

 

 本当だろうか…

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Classic 流天 @Rutennohito

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