第22話 タツオミの徴収

またタツオミが股間をさすってくる。

優しい手つきで、俺のあそこは不覚にも反応する。


信じられない。

なんでユイちゃんのおっぱいより、俺のが良いわけ……??


「ダ、ダメだって……!」


「ユイちゃんを勉強会に呼んでもいいよ。前払いにする?後払いする?」


「それ……!キスじゃ、済まないでしょ!」


声が裏返る。


タツオミは笑ってまたキスをしてきた。




2人のスマホが鳴った。


「ハ、ハルマだよ、きっと!」


俺はポケットからスマホを取り出そうとするが、タツオミはキスをやめようとしない。


「ハルマが!来ちゃうよ!」


「……早くユイちゃん分、払おうよ。」


タツオミは俺のベルトに手をかけた。




ハルマが来て、玄関が開かなければ疑われる。


「わ、わかったから……!昨日の分まで……で……。」


「じゃあそうする。」


や、でも、そうする、って、何するの?


俺は……意を決してタツオミの唇に舌を這わせた。


タツオミはひるんでいる。

攻撃は最大の防御…的な?

興奮が収まるのか激しくなるのか、わからないけど、下半身に行かれるよりはマシだ。




俺のスマホが鳴る。

着信だ。


一瞬、正気を取り戻してスマホを見ると、ハルマだ。


電話に出ようと思ったが、この体勢で電話に出るのヤバくない?


「……電話出たら?出ないと怪しまれるよ。」


タツオミが言う。




俺は、冷や汗まみれで電話に出た。


「あ……ハルマ。委員会終わった?」


『うん。今向かってるけど、既読にならなかったから……。予定通りタツオミの家でいいのかな?』


「うん。そのまま来て。」


と、言ったあたりでタツオミがズボンに手を突っ込んで来た。


「わあっ!!!」


『リョウスケ?』


「あ!ごめん!ちょっと、こぼしちゃったんだ!じゃあ、またあとで!!」


電話を切った。




「タツオミ!もう辞めろよ!ハルマが来るからさ!」


「今日のところはね。」


思った以上にタツオミは本気だった。


俺はズボンを履き直して、トイレに逃げ込んだ。



――――――――――――


俺がトイレにこもっている間に、ハルマが来たようだ。


ホント、どんな顔してハルマを出迎えてんだ、タツオミは。


とりあえず、タツオミに彼女を作る作戦はもう無理だ。

このままでは、俺の身がもたない。



とりあえず、タツオミと2人きりで会うのは危ない。

なんとか勉強面は頑張って、頼りきらないようにしよう……。


そう決意をして、トイレを出た。

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