第12話 ハルマの気持ち
リョウスケに告白してしまった。
リョウスケは、今の今まで俺に好かれていると気づいていなかったようだ。
俺が、リョウスケを好きな気持ちは本当だ。
でも、もしキスをして、やっぱり男は無理だとわかるなら、それはそれでいいと思ってた。
リョウスケとキスをして、気持ち良かった。
別に、リョウスケのテクニックが良かったとかじゃなくて、リョウスケに求められ、密着できて昂った。
何度かキスをしているうちに、リョウスケがどうしたら俺が気持ち良くなるか試してくれてることが嬉しかった。
リョウスケは、ただ快楽を追った結果かもしれないが、それでもいいんだ。
俺より少し体格が大きいから、抱きしめられると安心する。
もしリョウスケが他の人と付き合い始めて、そういうことができなくなるなら寂しいだろう。
リョウスケは、自分がモテないと思っているが、中学の時、リョウスケを好きな子はそれなりにいた。
気さくで、人の悪口を言わない。
素直に人の良いところを言える。
博愛主義というか、平和主義というか。
生徒会で、書記の子がリョウスケを好きだと聞いたとき、自分の中にドロドロした気持ちが湧き上がってきた。
つい、「リョウスケには好きな子がいる」と、嘘をついた。
そしたら、彼女はリョウスケを諦めた。
最初は罪悪感があったけど、「簡単に諦めるくらいだから本当はそんなに好きじゃないんだ」と自分に言い聞かせた。
そういうことが、何回かあった。
リョウスケに大切にされているのはわかるけど、愛されているようには感じない。
やっぱり、リョウスケにとっては、俺はただの練習相手なんだろうか。
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