2、なんかすごい能力手に入れた。

【神は嘘をつかないらしい。】

「いや、俺のスキル、、、『管理者』だった。」

「は?」

「だからー、俺のスキルは『管理者』だって言ってんの。」

「いや聞こえてるけど、それマジで言ってるの?」

「素が出てしまってますよ、お嬢様。」

「その声は、セバスだ!」

お屋敷の桜華の執事であり護衛でもあるセバスだ。

結構おじいちゃんに見えても動けていろいろと助けになるのだ。

こういう人は、こんな異世界に来ても強いんだよね。

「お久しぶりです、笠江様。」

「セバスチャンがいたなんて驚きです。私の身の回りの管理をしてくれる人がいないと困るので。」

「お嬢様、ご機嫌は大丈夫でしょうか。」

「えぇ、大丈夫よ。あなたこそ大丈夫かしら?」

「私の心配は無用でございます。笠江様も大丈夫でしょうか。」

「あぁ、俺も大丈夫だ。心配ありがとなセバス。そういえばスキルどうだった?」

「私のスキルは『刀術』です。」

「へぇ、なんかかっこいいじゃん。」

「かっこいいですけど肝心の刀がないので何もできないじじぃにすぎません。」

「セバスは、元が強いから大丈夫だと思うけどな。」

「お褒めに預かり光栄です。」

「そうですわ、セバスはうちの執事だから信用できるし、口も堅いからスキルのことを言ってしまえばよろしいので?」

「そうだな、言っちゃおう。ちなみに俺のスキルは『管理者』だった。」

「はい?もう一度行っていただけますでしょうか?」

「だーかーらー、俺のスキルは『管理者』だったって言ってんの。」

「聞こえているのですが、えー、はい。ついにボケが始まったみたいで、管理者と聞こえたのですが。」

「あってるよ。」

「わかりました。お嬢様の大切な親友なので信じましょう。」

親友じゃなかったら死んでたかも。こわっ。

「お嬢様のスキルはどうでしょうか?」

「よくぞ聞いてくれたわねセバス。」

「あぁ、お嬢にもスキルがあったんだな。」

「お嬢って呼ぶなー。」

「お嬢様素が、「わかってるわよセバス。あとお嬢様呼びしないでくれる?」

「わかりました。桜華様。」

「様呼びもやめ「それはできません。」

やめて頂戴ね。」

「わかりましたお嬢様やめます。」

「セバス。とりあえずここから移動しようなんか嫌な予感がする。」

「了解いたしました。南から東にかけては森になっているようです。それ以外は平原です。」

「じゃあ、食べれるものとか探してみたいし森のほうに行ってみるか。」

この世界で向こうの世界よりもおいしい果物とかあったらうれしいな。

「森なんて初めて来たわ。」

「俺もだな。セバスは?」

「ここまで広い森は見たことありませんが、田舎育ちだったので山ではよく遊びました。」

「そうなのか。セバスがいるだけで少しは安心だな。」

「あっ。あそこにバナナみたいなものがあるわよ。」

「なんだろうな。」

食べれるものだといいけど、なんだろ。あれ。

〈あれはバニマといわれる果実です。毒はありますが種を除けば問題ありません。マスターの記憶によるとアボカドみたいな触感のみかんの味がします。〉

「なんか聞こえなかったか?」

「「いえ、なんも。」」

さすがにそこまで息ぴったりでひていしなくても…。

〈この声はマスターにしか聞こえません。〉

マスターって誰!?

〈マスターはマスター。あなた様のことです。〉

ていうかお前誰?

〈私は黙示録の百科はくしなマスターのスキルの一部です。〉

そうか、なんかこのスキル便利そうだな。

「どうしたのですか?そんなに考え込んで琳兎らしくないですわ。」

「琳兎らしくないってどういうことだよ。俺がいつもは何も考えてないように見えるというのかよ。」

「そうじゃないんですか?」

「俺だって漫画の発売日とかラノベの発売日とか買う日とかいつでも考えてるぞ。」

「そんなこと関係ないでしょうに。」

「俺にはめっちゃ関係あるんだよ。」

「そうですか。で、あのバナナのような果実はなんでしょうか?その様子だと分かったのでしょう?」

「あぁ、あれはバニマと言って触感はアボカド、味はみかんで毒はあるが種を除けば大丈夫だそうだ。」

「どこで知ったのですか?」

「俺にもわからない。」

俺にもわからないは正解だ。

なにせ、姿かたちも見えないやつに教えられたのだから。


バンっっっ

「なにがおきた!」

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